高校生が東京五輪代表を抜き去った!日本クロカン、酒井美玖が好走2位「次はトラックで勝負を」

[ 2021年2月27日 21:15 ]

陸上 クロスカントリー日本選手権 ( 2021年2月27日    福岡市・海の中道海浜公園 )

クロカン日本選手権女子シニア8キロで田中(後方中央)を抑えて2位に食い込んだ酒井(右)
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 シニア女子8キロ初出場の地元・北九州市立高3年、酒井美玖(18)が、一昨年の覇者で東京五輪代表の田中希実(21=豊田自動織機TC)を抑え、26分20秒で2位に入る好走を見せた。優勝は25分54秒の萩谷楓(20=エディオン)、田中はトップに28秒差の26分22秒で4位だった。

 シニア男子10キロは大学初クロカンの三浦龍司(18=順大1年)が優勝。シニア優勝者には日本選手権(6月)の男子1万メートル、女子5000メートル、または1万メートルの出場権が与えられた。

 18歳の高校3年、酒井が好走を見せた。女子シニア8キロに「(U20の)6キロを走るよりシニアのステージにチャレンジしたい」と初参戦。スタートでトップ集団につけると「いい流れで滑り出せた。6キロよりもスローペースだったのでうまく走れた」とレースをリード。残り1キロを切るとラクダのコブのような最後のアップダウン「キャメルヒルズ」で東京五輪代表の田中を抜き去り2位でゴールインした。

 中学3年まで男子に混じって野球部でプレーしていた酒井の武器は鋭いスタートダッシュだ。昨年12月の全国高校駅伝(京都)でも花の1区に起用され区間賞の走りでたすきを渡した。酒井の走りで北九州市立は史上最高の4位に入賞した。その勢いを持ち込んでのクロカン2位。“女王”田中は「最後のアップダウンで高校生(のスピードに)に全く対応できなかった」と酒井の走りを高評価。それでも酒井は「先にゴールしたけれど、まだまだ田中さんと比べれば力不足だと思う。次はトラックで勝負したい」と上を見つめた。

 卒業後は社会人のデンソーに進む。「長い距離を走るのは好きなので、まず5000メートルで15分を切り将来はマラソンで勝負したい」と夢を広げた。

 【各部門上位成績】
 ▽シニア男子10キロ
(1)三浦龍司(順 大) 29分10秒
(2)松枝博輝(富士通) 29分10秒
(3)今井篤弥(05トヨタ自動車九州)29分16秒
 ▽シニア女子8キロ
(1)萩谷 楓(エディオン)25分54秒
(2)酒井美玖(北九州市立高)26分20秒
(3)和田有菜(名城大) 26分21秒
 ▽U20男子8キロ
(1)佐藤圭汰(洛 南) 23分19秒
(2)太田蒼生(大牟田) 23分47秒
(3)南坂柚汰(倉 敷) 23分54秒
 ▽U20女子6キロ
(1)不破聖衣来(05高崎健康福祉大高崎)19分49秒
(2)三原 梓(立命館宇治)20分14秒
(3)小坂井智絵(成 田)20分19秒

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