万年中堅だったクボタ 開幕2連勝で立川主将「自信」

[ 2021年2月27日 22:14 ]

ラグビートップリーグ第2節   クボタ39―7東芝 ( 2021年2月27日    東京・秩父宮ラグビー場 )

<東芝・クボタ>後半1分、東芝・リーチ(左)を振り切り、トライを決めるクボタ・金(撮影・吉田 剛)
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 クボタが計5トライを奪って東芝に完勝。開幕2連勝で勝ち点10とし、レッド・カンファレンスの暫定首位に立った。

 過去最高成績は3度の6位。下位チームは圧倒できても、上位に食い込めない中堅を地で行くクボタが、かつては優勝争いの常連だった東芝を圧倒した。風下の前半を7―0で折り返すと、後半は4トライを奪って過去最大差の32点差勝利。CTB立川主将は「FWのセットプレーで優位に立ち、試合をうまく進められた。いろんな形でトライを取れたことは自信になる」と話した。

 前半の先制トライは連続攻撃で相手防御を崩し、最後は立川が力強く縦突破。後半は開始直後、WTBファンデンヒーファーの裏へのキックをFB金が抑えて2トライ目。さらにSH井上のインターセプトからの独走トライ、力強いモールトライを加え、中盤には勝利を決定付けた。

 チームの進化を象徴するのが、後半38分のダメ押しトライだ。相手が敵陣インゴールから放ったキックパスがタッチラインを割ると、途中出場のSO岸岡がクイックスロー。フランカーのトゥパが苦もなくインゴールを陥れた。この時、事実上敗戦が決定していた東芝はリーチら3人しかボールに寄っていなかったのに対し、クボタは6人がタッチラインから20メートル以内に。“機を見るに敏”を体現する意識の高さで、相手の息の根を止めた。

 新型コロナウイルスの影響で丸1年あったプレシーズン。クボタは昨年10月から約10試合の練習試合をこなすなど、積極的に強化を図った。練習試合では若手を積極起用してチームの底上げと競争を促し、主力選手同士の連係も高まった。南アフリカ代表フッカーのマルコム・マークス、オーストラリア代表のSOバーナード・フォーリーら超大物外国人も看板通りの活躍を続ける。さまざまな歯車ががっちりかみ合った状態で、開幕ダッシュを果たした。

 グラウンド外でも積極的にオンラインイベントを開催し、この日は開幕戦に続いてチームカラーのオレンジ色のベースボールシャツを来場者にプレゼント。来年1月開幕予定の新リーグのディビジョン分けでは事業性も考慮されるとあり、意欲的な姿勢を見せるクボタ。中堅から強豪へ、“オレンジアーミー”が脱皮を遂げようとしている。

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