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高木美帆 無敵の5冠「もう無理」放心状態も「走り切れた達成感」

[ 2020年12月31日 05:30 ]

スピードスケート 全日本選手権最終日 ( 2020年12月30日    明治北海道十勝オーバル )

全レースを終え倒れ込む高木美(撮影・会津 智海)
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 高木美帆(26=日体大職)が女子1500、5000メートルで優勝した。28、29日に500、1000、3000メートルも制しており、全5種目を制覇。世界記録を持つ1500メートルは自身の国内最高を更新する1分54秒08、5000メートルはリンク記録の7分7秒33だった。男子1500メートルは小田卓朗(28=開発計画研究所)が1分45秒72で優勝。男子1万メートルは土屋良輔(26=メモリード)が国内最高の13分14秒89で頂点に立った。

 5冠目となる5000メートルを終えると、高木美は仰向けに倒れ込んだ。ゴール直後に心に浮かんだ言葉は「もう無理」。ヨハン・デビット・コーチから「ヨハンだよ、分かる?」と心配されるほど、フラフラだった。表彰式後の会見で「しばらく目が回っていた。3日間張り詰めていたので緊張の糸が切れた。疲労もあるが、放心状態という感じ」と振り返り「5冠よりも5本走り切れたことの方が達成感がある」と実感を込めた。

 3日間で圧倒的な強さを見せた。500メートルで18年平昌五輪金メダルの小平に勝ち、1500、3000メートルは国内最高、1000、5000メートルはリンク記録を更新した。大会で滑る機会の少ない5000メートルは参加資格を持っていなかったが、日本連盟強化部の推薦枠でエントリー。長距離種目の出場を明言したのはレース前日で「最初から明確な目的を持って5種目の計画を立てたわけではない。体がどこまで耐えられるかの検証じゃないけど、全部滑り切れたことで得られる情報は多かった」と収穫を口にした。

 夏場に右膝痛を発症して練習不足に陥った影響を感じさせなかった。18年平昌五輪の1500メートルで銀、1000メートルで銅メダルを獲得した中距離エースは「オールラウンドで戦うことや勝つことに、憧れや面白さも感じている」と従来の枠に収まるつもりはない。特に「伸びしろを一番感じた」という500メートルへの意欲は強い。「今は(疲労で)脳味噌が止まっている。一つ一つのレースをもっと詰めるにはどうしたらいいか、落ち着いてから考えたい」。目指すは世界の頂点。国内5冠で喜びに浸るような小さな器ではない。

 ▽スピードスケート全日本選手権 1929年に第1回大会が開催された。昨年までは4種目のタイムをポイント化した合計点で争う方式だったが、今年は距離ごとに競う五輪と同形式に変更。日本連盟はコロナ禍により今季の主要国際大会への選手派遣を見送るが、例年は五輪、世界選手権、W杯など国際大会の日本代表選考会も兼ねている。

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