流通経大柏、シード校関西学院を撃破 2㍍超の今大会最長身No.8ディアンズが勝ち越しトライ

[ 2020年12月31日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会2回戦   流通経大柏26―7関西学院 ( 2020年12月30日    花園ラグビー場 )

<関西学院・流経大柏>関西学院を破り、チームメートを持ち上げて喜ぶディアンズ(右)(撮影・坂田 高浩)
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 2回戦16試合が行われ、16チームが来年1月1日の3回戦へ進出した。流通経大柏(千葉)は関西学院(兵庫)に26―7で勝ち、今大会のシード校撃破第1号になった。ニュージーランド出身で今大会最長身2メートル1のNo・8ディアンズ・ワーナー(3年)が勝ち越しトライを挙げるなどの活躍を見せた。前回優勝のシード校・桐蔭学園は日本航空石川(石川)を37―0とシャットアウト。今大会最重量130キロのプロップ田中諒汰(3年)がチーム初トライで苦戦の展開を変えた。

 2メートル超の巨体が手を広げるだけで、目の前の相手には重圧がかかる。後半16分、22メートルライン内からドロップキックで試合を再開する場面で関西学院はディアンズの長身を避け、チョン蹴りからボールを確保しようとしてノックオンを犯した。同19分にはディアンズがいる22メートルラインから下がって高いボールを蹴ったが、流通経大柏に競り合うことなくキャッチされ、トライに結びつけられた。

 高校ラガーマンの中でも頭一つ抜け出る2メートル1。昨季までのロックから今季、相亮太監督が「いろんな形でボールに絡んでいけるように」とFW第3列にコンバートした。スピードには欠けるが、日本で身につけた低い姿勢でボールキャリーにタックルにと奮闘。7―7の後半7分にはゴール前ラインアウトで楽々とボールをつかんで攻撃の起点をつくり、最後は2人を乗り越えるように勝ち越しトライと、本来の持ち味の高さと強さも見せつけた。花園では前回大会から5試合連続トライ。「スペースが見えたので、自分のフィジカルなら取れると思った」。報道陣を見下ろしながら、ディアンズはニコリと笑った。

 全体練習ができなかった時期はウエートトレを徹底。体重は4キロ増の118キロ、ベンチプレスは25キロアップの150キロを挙げるようになった。今年は授業で書道にも取り組み、「書の甲子園」と呼ばれる国際高校生選抜書展で秀作賞を受賞。英語のつづりは「ヘタクソ」と謙遜しながらも、好きな漢字には「守」を挙げた。3回戦は、その守りが鍵となる常翔学園と対戦。「準備して練習でやったことを全部、全力で出せばいける」。注目される進路は「まだ」と言うが、将来を問われると「日本代表になりたい」と答えた。

 ◆ディアンズ・ワーナー 2002年4月11日生まれ、ニュージーランド・ウェリントン出身の18歳。小学校でラグビーを始め、父グラント氏のNECコーチ就任を機に来日して、つくばインターナショナルスクール(茨城)に入学。中学はあびこラグビースクールでプレーし、流通経大柏に進学。新型コロナウイルスの感染拡大で父と自身だけ日本に残り、母と妹はオーストラリアに住む。目標はニュージーランド代表ロックのブロディ・レタリック(神戸製鋼)。2メートル1、118キロ。

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