藤田寛之のレッツビギン!!実践編 ミススポーツ上達の道【第12回 パットの距離感を養う方法】

[ 2020年12月18日 12:00 ]

パッティングの解説する藤田寛之プロ(右)
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 第12回のテーマは、ロングパットです。アベレージゴルファーの場合、なかなか2パット以内に収められませんが、藤田寛之プロによれば、距離感を養うにはボールを手で転がすことから始めるべきだと言います。その感覚をパットでも生かすことができれば、ボールがカップに近づく確率が上がるというわけです。ミス日本ミススポーツの田中絵梨果さんがレッスンを受けました。進行役はレッスンプロのジミー常住氏です。

 常住 ロングパットを迎えたとき、ゴルフ初心者はどのような対応をするのか確認する意味でも、まずは田中さんに挑戦してもらいましょう。
 
 田中 けっこうピンまで距離がありますが、少し右に傾斜しています?

 藤田 よく分かりましたね。ピンまで15メートルぐらいあるほぼ真っ直ぐなラインですが、少しだけスライスすると思います。

 田中 スライス?パットにもスライスがあるんですか?

 藤田 右に曲がるラインをスライスライン、左に曲がるラインをフックラインと言います。

 田中 なるほど。それではカップの左側を狙って打ってみます。

※ボールは半分も転がらない大ショートに。

 藤田 初心者の方は距離感がないので大きくショートすることが多いんですよ。それでは次にボールを手で転がしてみましょうか。ボウリングのように下手投げでピンに寄せて下さい。

※今度は見事OKの距離まで転がっていく。

 藤田 さすがミス日本ミススポーツですね。素晴らしい感覚を持っています。手でボールを転がしたときと同じスピードで転がるようにストロークすると、カップに近づいていくんです。実際にパターで打ってもらえますか?おっと、その前に注意点が1つありました。先ほど、田中さんがボールを手で転がす前に、距離感のイメージを出す動作をしていましたよね?

 田中 素振りみたいに手を振っていた動作のことですか?

 藤田 そうです。もっと言うと、顔をカップに向けながら手を振っていましたよね。実はこの動きがものすごく大切なんです。視覚からの情報が体に伝わるので、カップまでの距離に応じた振り幅になりやすいんです。つまり、パターでストロークする際も、目標を見ながら素振りをすることで、距離感をつかめるようになります。

 田中 私の場合、顔を下に向けたまま素振りをしていました。

 藤田 それだと距離感を合わせるのが難しくなりますよね。プロによっては、カップとボールを結んだ線上の後方に立ち、カップを見ながら手で転がすように腕を何度か振る人がいます。これは体に距離感を覚え込ませたいからです。感覚というのは人によって異なるので、自分に合った感覚の出し方を探してみるのもいいでしょう。田中さんの場合、持っている感覚がいいので、ロングパットの練習を繰り返すうちに、自然と距離感が合ってくると思います。試しに、カップを見ながら素振りをした後にストロークしてみましょう。

※カップに対して3メートルほどショートしましたが、半分の距離も転がらなかった先ほどのパットよりは圧倒的に寄せることができました。

 藤田 ロングパットで大切なことは、いかにカップまで転がっていくイメージを出せるかです。そのためには、やはりカップを見ながらの素振りを行うことが大切だと思います。

 (取材協力=静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◆藤田 寛之(ふじた・ひろゆき) 1969年(昭44)6月16日生まれの51歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◆田中 絵梨果(たなか・えりか) 1997年(平9)11月30日生まれ、神戸市出身の23歳。1月のミス日本コンテストで「ミス日本ミススポーツ」に輝く。特技は英語(英検1級)、サッカー、ドラゴンボート。1メートル72。

 ◆ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ) 1981年(昭56)12月15日生まれの39歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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