日体大・藤本「結果残すのがエース」小5から全身脱毛症…ウィッグ着け走る

[ 2020年12月18日 05:30 ]

箱根駅伝 1月2日号砲

箱根駅伝へ向け意気込む日体大・藤本珠輝(撮影・小海途 良幹)
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 8年ぶり11度目の優勝を目指す日体大は横浜市内のキャンパスで記者会見を開き、新鋭・藤本が本番に向けた決意を口にした。予選会では1時間2分13秒をマークし、全体22位でゴール。4年生エースの池田耀平(1時間1分44秒、全体7位)に次ぐチーム2位で、本戦進出に貢献した。それでも、満足はしていない。「今季はエースを目指していたが、耀平さんに一度も勝てなかった。箱根ではしっかりとぶつけたい」。柔らかな笑みで、力強く答えた。

 小5のときに突然髪の毛が抜け始め、全身脱毛症が発覚。周囲からからかわれるなど、つらい経験もしてきた。普段からウイッグをかぶり、競技中は鉢巻きで固定するのがトレードマーク。鼻毛も抜けるため菌が体内に入りやすく、新型コロナ下の練習では他の選手以上に手洗い、うがいを徹底し、競技に打ち込んできた。

 高校駅伝の強豪、兵庫・西脇工3年時には主将を務め、昨年は1年生ながら予選会チームトップの14位に入った実力者。今年7月に日体大監督に就任した玉城良二氏は「学生4年間の中で、池田の記録を塗り替えてほしい。これからの成長が楽しみ」と評価した。だからこそ藤本は奮起する。「期待されて結果を残すのがエース。そういう選手を目指していきたい」。日体大の新たな時代を、今も病と闘う2年生が切り開く。

 ◆藤本 珠輝(ふじもと・たまき)2001年(平13)1月14日生まれ、兵庫県加古川市出身の19歳。中1から陸上を始め、西脇工3年で全国高校総体5000メートル5位。ハーフマラソンのベストは1時間2分13秒。座右の銘は「押してダメなら諦めろ」。1メートル65、54キロ。

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