翔猿 全勝の大関・貴景勝止めた! 「一発食ってやろうと」埼玉栄後輩に秋場所のリベンジ

[ 2020年11月17日 05:30 ]

大相撲11月場所 9日目 ( 2020年11月16日    両国国技館 )

はたき込みで全勝していた大関・貴景勝(下)を破る翔猿(撮影・西海健太郎)
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 平幕の翔猿が大関・貴景勝をはたき込み、全勝力士はいなくなった。9月の秋場所14日目の初顔合わせでは翔猿が敗れ、優勝争いから後退した。強豪・埼玉栄高の先輩が意地のリベンジを果たした格好だ。優勝争いトップの1敗は貴景勝、平幕の宝富士と志摩ノ海で3人。照ノ富士は高安との小結対決に敗れて2敗に後退した。

 眉がつり上がり、眉間にしわが寄る。土俵上の作法としてガッツポーズと雄叫びを何とかこらえたものの、気迫満点のドヤ顔が翔猿の喜びを表していた。「思い切りいこうと思っていただけ」。帰り支度を済ませた後のリモート取材でも声が弾み、画面越しに興奮の余韻を感じさせた。

 勝ちっ放しの大関に真っ向勝負を挑んだ。「読まれていると思って変化は考えなかった」。立ち合いは頭で当たる。相手得意の左いなしにも、すぐに体勢を立て直して正面から突き返す。たまらず相手が引いたところを追い込み、タイミングよくはたき込み。最後は左手で上から背中を押さえつけた。大関に2度目の挑戦で初勝利だ。

 「勝てて凄くうれしい。夢みたい」

 鮮やかにリベンジを果たした。貴景勝との初顔合わせは9月の秋場所14日目。131キロの自身より52キロ重い上、押し引き自在の大関に主導権を握られ、はたき込まれた。これが同場所3敗目で、2敗をキープした正代に1差をつけられ106年ぶりの新入幕優勝が遠のいた。痛すぎる1敗の相撲内容は「感覚として覚えていた」。今回は土俵下で見守った錦戸審判長(元関脇・水戸泉)が「終始、翔猿のペース」と認める内容で快勝だった。

 強豪の埼玉栄高では翔猿が貴景勝の4学年先輩。「そこは意識してない。相手は全勝の大関だったので一発食ってやろうと」。無欲の挑戦が11月場所の混戦に拍車をかけた。

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2020年11月17日のニュース