【中嶋常幸 密着オーガスタ】松山、この安定感維持できればいずれ“大波”が来る

[ 2020年11月15日 05:30 ]

USPGAツアー マスターズ第2日 ( 2020年11月13日    米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC=7475ヤード、パー72 )

第2R、2番でティーショットを放つ松山
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 松山選手はティーショットが安定していた。この日もフェアウエーを外したのは2回だけ。14番で大きく左に曲げたものの、松葉の上からの第2打をグリーンに乗せ、パーで切り抜けられたのが大きかった。スイング軸、体幹がしっかりした状態でスイングをしているため、目いっぱい振り切っても球が散ることがない。

 大会前の過ごし方も良かった。以前はマスターズの前週の試合を休んでいた。今回は前週プレーしてから、オーガスタに入っている。自分の経験から言っても、メジャー前の試合を休むと過度な準備をしがちになる。“よしメジャーだ”と気負ってしまい、空回りしやすい。連戦で体が疲れているのでなければ、やはり、前の試合には出た方がいい。その方がスムーズにゲームに入ることができる。

 今週は思いのほか、気温が高く、グリーンも春先に比べウエットで止まりやすい。決勝ラウンドもスコアは伸びるだろう。松山選手は8アンダーで回っているが、まだ本当の“波”は来ていない。このままスコアを落とさず8、9アンダーで回ることができれば、必ずビッグウエーブが来る。そうなれば15、16アンダーまで伸ばせる。その波が来るまで忍耐強く待つことだ。

 今平選手が予選通過を果たした。初出場の昨年と違い、2度目はオーガスタの雰囲気にも慣れ、力を出しやすくなる。自分の時もそうだった。予選は通るだろうと思っていた。ただ、それで良かったではなく、さらに順位を上げていくことが大事だ。彼がここから、どんなプレーを見せてくれるのか。今後の海外挑戦、メジャー挑戦の真価が問われる。まずは、来年の出場権が得られる12位以内を目指して、頑張ってもらいたい。(プロゴルファー)

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