【玉ノ井親方 視点】照ノ富士 持ち味出せず初黒星…まわしを取れない相手にどう対応するか

[ 2020年11月15日 19:40 ]

大相撲11月場所8日目   ○大栄翔(押し出し)●照ノ富士 ( 2020年11月15日    両国国技館 )

<11月場所8日目>照ノ富士(右)を攻める大栄翔(撮影・郡司 修)
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 照ノ富士の敗因は、まわしを取って組めなかったことだ。左でまわしを狙いにいくが、大栄翔に右からおっつけられ、のど輪で上体を起こされた。そこから攻め返そうとするも、膝に不安がある分、押し返すことができない。立ち腰になって、足に余裕がなくなった。逆に相手に低い態勢で押し込まれ、我慢できずに引いてしまった。

 まわしを取るなり、抱え込むなり、何かしら自分の形に持ち込むことができていれば、前に出られただろうが、そうさせてもらえなかった。相手にうまく取られた。

 トップから一歩後退となる今場所初黒星。だが、尾を引く黒星というほどではない。相手の取口がうまかったと割り切ればいい。ただ、反省も大事だ。今後も対戦相手はこの日の大栄翔のように、まわしを取られないように工夫してくる。それをどう打開していくか。右を差したり、まわしを取ったりするためには、立ち合いでしっかり踏み込んで圧力をかける必要がある。それができないと優勝争いもあやしくなってくる。(元大関・栃東)

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2020年11月15日のニュース