“超人”土田和歌子が優勝 東京パラ代表入りに前進 大分車いすマラソン

[ 2020年11月15日 16:56 ]

大分車いすマラソン ( 2020年11月15日    大分県庁前~大分市営陸上競技場 42・195キロ )

<大分車いすマラソン>優勝してガッツポーズを決める土田
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 男女それぞれレースが行われ、女子はトライアスロンとの2種目で東京パラリンピックを目指す土田和歌子(46=八千代工業)が1時間39分42秒で優勝した。

 8年ぶりに大分の地で頂点に立った。土田は日本記録保持者の喜納翼(30=タイヤランド沖縄)とローテーションをしながらレースを展開。25キロ付近からは徐々に土田が引き離し、栄冠を手にした。レースを終えるとガッツポーズで声援に応え、「喜納選手と一緒に走れたのは楽しかった。新たな課題もあったし、強化を見直したい」と話した。

 今回土田は東京パラ出場を目指す上での最低目標タイム(1時間36分26秒)には約3分及ばなかったが、世界ランキングで13位から7位に浮上した。タイムを確認すると「残念だけど、今の実力は出し切れた」と笑顔。来年4月1日までの世界ランキングで6位以内に入り、すでに出場を決めている選手を除いた上位2人に入る必要があったが、それでも決まらなければ陸上競技全体で割り当てられるハイパフォーマンス枠の選出が行われる。今回の結果には、日本パラ陸連の指宿立強化委員長も「代表の可能性は十分ある」と太鼓判を押した。

 冬季はスピードスケートで1998年長野大会で4つのメダル獲得。その後陸上競技に転向し、2000年シドニー大会から夏季4大会連続出場。5000メートルとマラソンで3つのメダルを手にしてきた。18年からはトライアスロンに挑戦し、19年にマラソンとの二刀流を決断した。

 “超人”の呼び声高い土田だが、「マラソンはもちろん生半可な気持ちではできない。なんて厳しい選択をしてしまったのかと思うときもある」と苦笑いを浮かべた。トライアスロンは今季国内で試合はなく、出場権はまだ得られていない。新型コロナ禍で思うようにいかない日々が続くが、挑戦者としての気持ちは忘れない。「私の走りを見て、勇気や元気を与えたい。東京は諦めてません!」。新たな伝説の1ページを刻むために、自身の限界に全力で挑み続ける。

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2020年11月15日のニュース