怪物1年の衝撃 帝京大・江良颯2トライで開幕連勝 「先輩のサポートで伸び伸びプレーできている」

[ 2020年10月12日 05:30 ]

関東大学ラグビー 対抗戦Aグループ   帝京大54―17筑波大 ( 2020年10月11日    帝京大グラウンド )

<帝京大・筑波大>前半11分、トライを決める帝京大・江良(右)(撮影・吉田 剛)
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 対抗戦Aグループで2季ぶりの王座奪回を目指す帝京大は筑波大を54―17で退け、2戦2勝で勝ち点10とした。開幕戦から2試合連続先発となったフッカー江良颯(はやて、1年)が2トライをマークしマン・オブ・ザ・マッチを獲得。トライランキングでも計5トライで単独トップに浮上した。明大、早大も2戦2勝で勝ち点10。リーグ戦1部では東海大、流通経大も開幕2連勝とした。

 「強い帝京大」の復活をはっきり予感させる完勝劇だった。序盤こそシーソーゲームの様相を呈したが、後半は4トライを奪う一方で相手をシャットアウトする締まった内容。岩出雅之監督も「鍵はブレークダウンだった。成長を感じるゲームだった」と80分間フィジカルファイトを続けた選手たちを称えた。

 象徴的だったのが前半36分に逆転トライを挙げた江良だ。ゴール前でモールを止められたものの、果敢に右サイドへ突進。筑波大の防御網を突き破ってインゴールへ飛び込んだ。1メートル71、106キロと決して大きくはない体に秘めるパワーと、何より闘争心のたまもの。「周りの選手に支えられたトライ。先輩がサポートしてくれるおかげで伸び伸びプレーできている」と謙遜した。

 17年度までの大学選手権9連覇中は、激しい内部競争が新陳代謝を促し、1~4年生が程よくミックスされた戦力で記録を打ち立てた。過去2年はそのバランスを欠いたが、今季は当時2年ながら18年度に大阪桐蔭高の初の花園制覇に貢献した江良とNo・8奥井の1年コンビがレギュラーを獲得。開幕戦ではそろってハットトリックも達成した“相棒”に「奥井はライバルであり仲間。高校の時から高め合った存在で、彼のおかげで今の自分がある」と感謝した。

 「最初は練習で(フィジカル差を)痛感し、トレーニング量を増やして鍛えた。結果、ギャップを感じずプレーできている」と現状に満足しない努力家でもある江良。高校日本代表に2年生で抜てきされた超高校級が、超大学級への階段を一歩上がった。

 ◆江良 颯(えら・はやて)2001年(平13)9月18日生まれ、大阪府出身の19歳。同じ大阪桐蔭高出身の父の影響で、2歳でラグビーを始める。中学まではスタンドオフで、高校からプロップに転向。2年だった18年度に花園優勝を経験し、奥井とともに高校日本代表に選出。3年からフッカーに転向。1メートル71、106キロ。兄・楓は立命大3年でNo・8。

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