ラグビー・同大 復活のカギは親子鷹 父と2代で主将就任の中尾「同志社らしいラグビーで勝ちたい」

[ 2020年10月12日 05:30 ]

<同大・摂南大>試合後、インタビューに答える同大・中尾主将(公式写真提供KRPU Y.Sakata)
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 変則の2リーグ制で実施される関西大学ラグビーのリーグ戦(11月7日開幕)に先立ち、Aリーグ8大学による交流試合が始まり、初日は2試合が行われ、フランカー中尾泰星主将(4年)率いる同大は37―19で摂南大を下した。

 思い描いていた光景とは少し違った。主将の重責を担い初めて立った秋の舞台はリーグ戦ではなく、交流試合。無観客ゆえ、声援を送り続けるOBや父兄もいない。それでも、憧れの紺とグレーのジャージーに身を包んだ中尾は、父をほうふつとさせる低いタックルで仲間を鼓舞。勝利のホイッスルを聞いたリーダーはハキハキとした口調で収穫と課題の両面を挙げた。

 「80分間通して、メンバーがハードワークしてくれたのが勝因。FWはモールで押し切ることもできた。でも、相手を崩して取るのはまだまだでした」

 開始2分に先制トライを奪い、その後も安定したセットプレーで優位に立った。一方でミスも重なり、摂南大に計3トライも許した。だが、コロナ禍により、全体練習を始めたのは7月下旬。出遅れたことを考えれば、上々の初戦といえた。

 前例のないシーズンに挑む中尾の運命は宿命づけられている。元監督の晃さん(現副部長)は1988年、伯父の芳門さんは86年に主将を務めた華麗なる一族。父に連れられて同大の練習を見ていた少年は当然のように名門の門を叩いた。親子2代で主将を務めるのは、100年以上の歴史を誇る名門でも初めてのこと。父から「覚悟を持ってやれよ」と短い言葉で背中を押されたという。

 憧れの父と同じ6番を背負う男は次戦(17日・関大戦)への意気込みを問われると迷わず言った。「同志社らしいラグビーで勝ちたいです」。元神戸製鋼FBの伊藤紀晶新監督とともに踏み出した第一歩。5年ぶりの王座奪回へ、熱い魂を持つ泰星が最前線で率いる。

 ◆中尾 泰星(なかお・たいせい)1998年(平10)5月23日生まれ、奈良県出身の22歳。3歳の時に「キッズラグビーとりみ」で競技を始める。大分舞鶴では3年間花園に出場し、主将を務めた。同大政策学部在籍。50メートル走6秒7。フランカー。1メートル70、90キロ。

 ▽今季の関西大学ラグビーAリーグ 11月7日開幕。昨季の順位に応じて8チームが4チームずつの2リーグに分かれ、各リーグ1回総当たりで3試合を行う。その後、それぞれの同順位が1試合の順位決定戦をする。3位までが全国大学選手権の出場権を獲得。入れ替え戦はない。10月は、参加できるチームで最大3試合の交流試合を行う。

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