【荒磯親方 真眼】照ノ富士“まだやれる”ところ見せてほしい

[ 2020年8月2日 05:30 ]

大相撲7月場所14日目 ( 2020年8月1日    東京・両国国技館 )

正代に寄り切りで敗れた照ノ富士(撮影・島崎忠彦)
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 取組前は朝乃山と照ノ富士の一騎打ちになるとみていましたが、ドラマチックな展開になりました。中でも照ノ富士を破った正代はあっぱれでした。けんか四つでしたが、相手が振り回してくるところを下から待ち構えて、我慢して左を差し込みました。左のまわしを取られても、相手が握り直すところで肩透かしを打つという反応の良さもありました。非常に流れがよく乗っている感じです。半ば終わりと思われた3敗から、抜群の相撲で踏みとどまりました。

 照ノ富士は敗れはしましたが、千秋楽の本割で勝てば優勝が決まります。昔は荒々しさがあり、顔面に力が入ってガチガチで来る力士でしたが、今場所は肩の力が抜けていて表情も穏やか。大人になった感じです。今は悪い流れを切れるという感覚もあるはずです。しのぎを削った照ノ富士がここまで復活して、ケガで苦しんでいる人たちに希望や勇気を与えています。私はケガで終わってしまっただけに“まだやれる”というところを見せてほしいという思いもあります。(元横綱・稀勢の里)

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2020年8月2日のニュース