桐生、W吉兆10秒04!初9秒台出した17年初戦と同タイム同風速

[ 2020年8月2日 05:30 ]

北麓スプリント ( 2020年8月1日    山梨・富士北麓公園陸上競技場 )

今季初戦で10秒04をマークした桐生(提供写真)
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 男子100メートル決勝は日本歴代2位タイとなる9秒98の自己記録を持つ桐生祥秀(24=日本生命)が今季初戦として出場し、10秒04(追い風1・4メートル)の好タイムをマークして1着。予選は10秒12(追い風1・1メートル)だった。17年に日本人初となる9秒台を出したシーズン初戦とタイムだけでなく風速もピタリと一致。“W吉兆”で自身3年ぶりの9秒台、そして開幕まで1年を切った東京五輪出場に向けて好スタートを切った。

 実戦に飢えたスプリンターとしての本能が富士北麓で爆発した。昨年9月のドーハ世界選手権以来となる公式戦。“ジェット桐生”らしい激走でスタートから先頭をぶっちぎった。「久々に走れて良かった。開催してくれた山梨のスタッフには感謝の気持ちが大きい」と笑顔を見せた。

 「10秒0台は何回も出しているので求めていない。今日は自己ベストを出すつもりでいました」。常時9秒台を出せる自信はあるが、シーズン初戦の10秒0台は桐生にとって好調のバロメーターだ。9秒98を出した17年は3月にオーストラリアで出場した初戦で今回と全く同じ、10秒04(追い風1・4メートル)をマーク。アジア選手権(4月)で日本人初優勝を果たした19年も初戦で10秒08(追い風2・0メートル)と序盤の勢いがそのまま、シーズンの結果に結びつく。

 昨季はスタートで尻の位置が高かったと反省し「できるだけ低く出るイメージ」で練習してきた。その出足を下支えする筋力強化に励み、鍛え抜いた冬季練習の成果も出せたといい「中間からもっとスピードに乗れる」と手応えもつかんだ。

 コロナ禍がなければ、この日は東京五輪男子100メートル予選のレーンに立っているはずだった。国立競技場にはイベントで足を踏み入れたことはあったが、実際に試合をするのは23日のセイコー・ゴールデングランプリが初めて。1年後の予行演習も兼ねた大会に向け「しっかりと優勝を狙って、タイムはベストを目指す。旧国立の思い出はあまりないので、新国立で思い出をつくりたい」と意気込んでいた。 

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2020年8月2日のニュース