NBAが選手のサラリー削減へ 4月15日から減俸の可能性あり

[ 2020年3月22日 13:03 ]

対応に苦慮しているNBAのシルバー・コミッショナー(AP)
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 NBAのアダム・シルバー・コミッショナーが21日、「リーグへの経済的な影響を判断するにはまだ時期尚早」としながらも、今後考えられる選択肢を開示。AP通信などによればその中には選手のサラリー削減なども含まれているもようで、本来レギュラーシーズンの最終日でもあった4月15日以降の支払いについては、「戦争や天変地異、さらに不可抗力によって開催ができなくなったケース」について言及している労使協約に基づいて“給与削減”に踏み切る可能性が出てきた。

 シーズンが再開し、レギュラーシーズン全82試合とファイナルを含むプレーオフがすべて消化されれば、給与は全額支払われるが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でこのまま今季が終わってしまった場合には「未消化試合数×年俸の1・08%」が削減対象。スポーツ専門局のESPNによれば未消化の対象試合はプレシーズン5試合、レギュラーシーズン82試合、プレーオフは5・6試合分。今季の年俸は昨年11月15日から支払いが始まり、ほとんどの選手が年24回の分割でサラリーを手にしているが、全額支給は4月1日が最後になることも考慮されている。

 今季のNBA最高年俸はウォリアーズのステフィン・カリー(32)で4023万1758ドル(約44億7000万円)だが、ウォリアーズはレギュラーシーズンで17試合を残している形。これに全球団に割り当てられているプレーオフの5・6試合分が加算される。従ってもしこのままシーズンが終わると、カリーは総額で981万9767ドル(約10億9000万円)を失うことになる。またウィザーズは18試合を残しており、ドラフト全体10番目という指名順位の高さから今季の年俸が446万9160ドル(約5億円)に達している八村塁(22)は113万9100ドル(約1億2600万円)が口座に振り込まれないことになる。

 NBAはジャズのルディー・ゴベア(27)の感染が判明した今月11日から試合を延期。10日目となった21日までに75試合が未消化で、4月15日にはそれが259試合にまで増える。

 シルバー・コミッショナーは6月中旬以降に再開して、ファイナルを8月に開催する案なども提示しているが、米国では21日現在で、約1万9000人の感染が判明して250人以上が死亡。今後も感染が続いていくと、NBAの各選手の“懐”はその影響をもろに受けることになりそうだ。

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