阿武咲、白鵬に恩返し金星!“メダル”から11年越し勝利に「やっと勝てた」

[ 2020年3月18日 05:30 ]

大相撲春場所10日目 ( 2020年3月17日    エディオンアリーナ大阪 )

11年越しの恩返しだ!!白鵬(左)を押し出しで破る阿武咲(撮影・奥 調)
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 平幕の阿武咲が横綱・白鵬から初勝利を挙げ、2個目の金星を獲得した。白鵬が主催する少年相撲大会「白鵬杯」の第1回優勝メンバーで、当時から憧れの存在だった大横綱との3度目の対戦で“恩返し”を果たした。優勝争いは1敗で白鵬と平幕・碧山が並んだ。4場所ぶりに勝ち越した横綱・鶴竜、大関獲りの朝乃山ら1差の2敗は4人となった。

 無観客の土俵で、歓声もなければ座布団も舞わない。それでも、憧れの存在を破った喜びは何物にも代え難かった。西の支度部屋から一番最後にミックスゾーンに現れた阿武咲は「素直にうれしい。やっと勝てた」と感慨に浸った。

 18年初場所以来、2年ぶりの対戦。白鵬のペースに持ち込まれないように心掛けた。「雰囲気にのまれず、自分がやるべきことをやって動こうと思った」。下から下から攻めてまわしを与えず、白鵬が引いたところで一気の出足。本来ならたまり席のところまで押し出した。八角理事長(元横綱・北勝海)も「会心の相撲。白鵬に勝つのはこういう相撲というお手本」と称賛した。

 11年越しの恩返しだった。2010年12月。大阪府堺市で開催された第1回白鵬杯に青森・中里中2年だった阿武咲が出場し、団体優勝を果たし白鵬からメダルを掛けられた。「昔から見ていた大横綱。白鵬杯に出たということもあるし、一つの目標としてやってきた。10年前はこうなるとは思っていなかった」。23歳となった今でも脳裏には鮮明に記憶が刻まれていた。

 17年夏場所の新入幕から15日制では初めてとなる3場所連続の2桁勝利を挙げ、同学年の貴景勝よりも先に新三役となった。だが、小結2場所目の18年初場所で右膝後十字じん帯を損傷。一時は十両に落ちるなど低迷した。今場所は負傷後初めての横綱との対戦だった。「そろそろ復活しないと」。17年秋場所で日馬富士を破って以来の2個目の金星を、再浮上の号砲にする。

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2020年3月18日のニュース