瀬戸、日本記録まであと0秒04!!自己ベスト1秒86更新“独走”V「ここまでのタイム出るとは」

[ 2020年1月26日 05:30 ]

競泳北島康介杯第2日 ( 2020年1月25日    東京辰巳国際水泳場 )

男子400m個人メドレー決勝、自己新のタイムで優勝、水面を叩いて喜ぶ瀬戸(撮影・西尾 大助)
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 男子400メートル個人メドレーで16年リオ五輪銅メダルの瀬戸大也(25=ANA)が、自己新となる4分6秒09で優勝した。4分7秒95の自己ベストを1秒86と大幅に更新。萩野公介(25=ブリヂストン)が金メダルを獲得した16年リオ五輪で出した日本記録4分6秒05に0秒04差に迫る好タイムだった。個人メドレー2種目で、すでに東京五輪代表に内定している日本のエースの好調が続いている。

 瀬戸は序盤から抜け出し、2位以下を大きく離した。350メートルまでは日本記録更新ペースで、観客の視線を一身に集めた。電光掲示板のタイムを確認すると、水面を叩き、笑顔の花を咲かせた。日本記録まであと0秒04だった。「タイムはびっくりしました。ひそかに日本記録は狙っていましたが、ここまでのタイムが出るとは思っていませんでした」

 25歳にして成長を続ける裏には、16年リオ五輪での苦い経験がある。前回も五輪前年の世界選手権で金メダルを獲得して1年前に代表に内定した。「初めての内定だったので、浮かれてました。五輪本番は勢いで戦えるだろう、という甘い考えでした」。両かかとの手術で調整が遅れた影響もあり、結果は2位と3秒近く差をつけられた4分9秒71で3位。悔しさを知った瀬戸は、世界選手権の金メダルはクローゼットの奥にしまって見ることはないが、現在もリオの銅メダルは目につく所に置いている。自らを高め、律するためだ。

 昨年7月の世界選手権で200メートルと400メートルの個人メドレー2冠を達成して五輪代表に内定してからも、浮かれることなく、自身の記録を次々と塗り替えている。今月18日には北京で200メートルバタフライで日本記録を樹立した。年明けから鼻炎を伴う風邪気味で、体調は万全ではなかったが「このコンディションでタイムを出せたのは自信になった」と振り返った。

 勢いが止まる気配のない日本のエースは半年後の東京五輪へ向け「最低でも日本記録は上回っていける。前半も後半も出して行けるタフさを身につければ、周りはついて来られないと思う」と自信たっぷりに語った。さらに「五輪では世界記録(4分3秒84)を目指せば金メダルは獲れると思う。東京五輪では世界記録にも挑戦したい」と大胆に宣言した。

 《昨年7月の世界選手権後に瀬戸が出した主な自己ベスト》☆東京都オープン(19年11月24日、辰巳)200メートル個人メドレー=1分55秒98。2位萩野に3秒37の大差をつけて勝利した。金メダルを獲得した世界選手権のタイムを0秒16更新。練習量を落とす調整をしておらず「正直、ビビってます」と驚いた。

 ☆国際リーグ決勝大会(19年12月20日、米ラスベガス)短水路400メートル個人メドレー=3分54秒81。ロクテ(米国)が10年に出した従来の記録を0秒69更新する世界新を樹立した。19年最後の大会を最高の形で締め、五輪イヤーに弾み。

 ☆チャンピオンシリーズ第2戦(20年1月18日、北京)200メートルバタフライ=1分52秒53。高速水着時代の08年北京五輪で松田丈志が出した日本記録を0秒44更新した。2位だった世界選手権で出した自己ベストより1秒33速いタイム。1分50秒73の世界記録を持つミラク(ハンガリー)、1分51秒51の前世界記録保持者のフェルプス(米国)に次ぐ世界歴代3位の記録だった。200メートル個人メドレーも自己ベストを0秒43更新する1分55秒55。

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