奈紗、5日がかり死闘79ホール!米ツアー開幕戦で惜し~い2位

[ 2020年1月21日 05:30 ]

米女子ゴルフツアー ダイヤモンドリゾーツ・チャンピオンズ   最終日 ( 2020年1月20日    フロリダ州 フォーシーズンズ・クラブ=6645ヤード、パー71 )

惜しくも2位に終わった畑岡(AP)
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 日没サスペンデッドで順延となったプレーオフの続きが20日に行われ、畑岡奈紗(21=フリー)が再開2ホール目となる通算7ホール目に力尽き、朴仁妃(パクインビ、31=韓国)と並び2位に終わった。7ホール目でバーディーを奪ったガビー・ロペス(26=メキシコ)が18年11月以来となる米ツアー2勝目。畑岡は昨年3月以来の米ツアー勝利、2010年の宮里藍以来となる日本人による開幕戦制覇はならなかったが、東京五輪での金メダル奪取へ幸先のいいスタートを切った。

 勝負を懸けたバーディーパットは、非情にもカップの左を抜けていった。その瞬間、畑岡の米4勝目が消滅。優勝したロペスと笑顔で抱擁を交わした21歳は「プレーオフの7ホールは初めての経験だったけど、粘りつつ良いプレーはできた。長かったです」と静かに振り返った。

 日をまたぎ午前8時に再開されたプレーオフの「第2ラウンド」。最初のホールはグリーンを外したが、アプローチでピンまで80センチに寄せてパーをセーブした。2ホール目。畑岡は第1打をピン奥の3メートルに運んで、8メートルにつけたロペスに重圧をかけた。だが先にロペスにバーディーを決められ、形勢は逆転。プレーオフは過去2戦2敗だったが、三度目の正直はならなかった。

 前日の最終ラウンドは3打差を追いかけた。上位が伸び悩む中、前半で首位に1差に接近。12番で1・5メートルのバーディーチャンスを沈め、通算12アンダーで首位の朴仁妃らに並んだ。13番のバーディーで単独首位に立ったが、その後朴仁妃とロペスに並ばれ3人によるプレーオフへ。舞台は女子では長い約200ヤードのパー3。気温も低下し条件が悪化する中で3ホール目で朴仁妃が脱落。ロペスとの競り合いは5ホールでも決着がつかず、午後5時50分に日没サスペンデッドによる順延となった。

 米ツアー4年目の開幕戦。オフに上半身を強化し、実戦で「スイングが少し力強くなったのと、安定感が出た」との手応えを得た。パットに苦しむ場面もあったが、安定したショットは健在で4日間60台で回った。

 当初は2月のアジアシリーズからの参戦を予定していたが「オフでやったことを実戦で確かめたい」と予定を変更してシーズン開幕戦から出場に踏み切った。エースとして出場が見込まれる母国開催の五輪を「楽しみな試合」と位置づけている。「開幕からいいスタートは切れたと思います。安定したショットは打てるようになったのでパットとショートゲームを練習して、来週(23日開幕ゲインブリッジLPGA)こそ優勝したいです」。五輪イヤー最初の試合で確かな成長と底力を示した。

 ▽ダイヤモンドリゾーツ・チャンピオンズ 2019年に新設された大会。過去2年間のツアー優勝者に出場権が与えられ、今大会には26人が出場。さらにスポーツ界やショービジネス界のセレブリティーたちも出場し、プロとアマが一緒に回る華やかな大会となっている。今年も元MLBのジョン・スモルツ氏、ロジャー・クレメンス氏や元NBAのレイ・アレン氏らが出場。コースは、オーガスタ・ナショナルGCや東京五輪の舞台となる霞ケ関CCなどの改修も行っている名匠トム・ファジオ氏によって設計された。

 【データ】畑岡は3度目のプレーオフも全敗となった。18年5月のキングズミル選手権は首位と1打差から出てボギーなしの4バーディー67をマークして通算14アンダーとし、A・ジュタヌガーン、田仁智(チョンインジ)とのプレーオフに進出も2ホール目で力尽きた。同年6月の全米女子プロ選手権は、首位と9打差から出た最終日に2イーグル、5バーディー、1ボギーの64で猛追。通算10アンダーで柳簫然(ユソヨン)、朴城炫(パクソンヒョン)と3人によるプレーオフに進出したが最初のホールでパーに終わり脱落。メジャー制覇を逃した。国内ツアーではプレーオフ出場はない。

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