御所実 変幻自在の完封4強!本職はフランカーWTB沢口先制トライ

[ 2020年1月4日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第5日・準々決勝   御所実14―0東海大大阪仰星 ( 2020年1月3日    東大阪市・花園ラグビー場 )

前半、御所実・沢口はトライを決める(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 WTBは御所実の秘密兵器だった。2戦連続でフランカーでスタメンだった沢口が、バックスで初先発して前半7分に先制トライを挙げた。中央ライン付近からの展開を左サイドで受けて突進。東海大大阪仰星ディフェンスに前をさえぎられると、裏へチョコンとキック。ゴール前で追いついて“ワントラップ”し、インゴールに右手1本で押さえた。

 「WTBでの仕事がランニングで取ること。試合前からイメージができていました」

 FWらしからぬスピードと足技を見せたヒーローは、もとは50メートル6秒0の快足WTBだった。当たりの強さを買われ、この夏に竹田寛行監督(59)に転向を言い渡された。

 準々決勝は、故障明けの長船をフランカーで使うための“玉突き的”な配置転換。もっとも「どっちでもいける準備はしていた」と心構えができていたため、前夜のメンバー発表後も焦りはなかった。後半18分にNo・8西林がシンビン(10分間の一時退場)になると、スクラムに入って本職の力を発揮した。

 FWとバックスのコンバートは御所実のお家芸で、長船は元SH、フランカー蓑洞は元CTBだ。「両方を経験することで、相手のやることが分かる」と沢口。型にはまらない変幻自在の戦術と、こだわりの堅守で、攻撃力が自慢の相手を無失点に封じた。3戦連続の失トライ0で、3大会ぶり4強に進んだ。

 御所中出身の沢口は、前回準Vの14年度を見て、「高校でラグビーを続けようと思っていなかったけど、進学を決めた」と地元の強豪へ進んだ。過去準V3度。あと一歩の歴史に、今年こそ終止符を打つ。

 ≪島田“母校”湯浅監督に感謝≫プロップ島田がラガーマンとしてケジメをつけた。1年で退学したかつての母校、東海大大阪仰星と対戦し、ディフェンスの要として奮戦。成長した姿を見せ、試合後には「頑張れよ」と声をかけてくれた湯浅大智監督に、「ありがとうございました」と感謝を伝えた。「試合前は緊張してました。これまで僕が避けてきたところもあったけど、あいさつできて、吹っ切れました」。もう迷いはない。鉄壁ディフェンスを19歳の島田がけん引する。

続きを表示

この記事のフォト

2020年1月4日のニュース