伝説に並んだウッズ「自分の両手を信じているし、今日も変わりない」

[ 2019年10月29日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ最終日 ( 2019年10月28日    千葉県印西市 アコーディア習志野CC=7041ヤード、パー70 )

恋人のエリカ・ハーマンさんと強烈なキスをするウッズ(撮影・沢田 明徳)
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 タイガー・ウッズ(43=米国)が日本で歴史を刻んだ。サスペンデッドで持ち越した最終ラウンドの残りホールを消化し、初日から一度も首位を譲ることなく、最終日67の通算19アンダーで完全Vを飾った。4月のマスターズ以来の米ツアー通算82勝目を挙げ、サム・スニードの持つ伝説の最多勝についに並んだ。

 【ウッズに聞く】

 ――今の気持ちは。
 「5日間の大半をリーダーとして過ごしたのでとても長く感じた。3打差で最終日を迎えたが、前日はヒデキが11、12番でバーディーを決めて、今日もいいスタートだった。自分はいきなりミスをおかしたので接戦になった」

 ――PGAツアーの記録に並ぶ82勝目だが?
 「安定して長く結果を残し続けてきた成果。このようなキャリアを築くことができて恵まれている。この勝利を日本で迎えたことは、自分がグローバルプレーヤーとして活躍してきたことを示している。世界中でプレーできたし、米国以外の場所でこの記録に並ぶことができてうれしい」

 ――膝の手術の影響は?
 「このような高いレベルで再びプレーできるか分からなかったが、数カ月ぶりにしゃがんでラインを読めるようになった。スタンスも良くなったので楽にパッティングができるようになった。スイングに関してはスピードが戻ってきて、皮肉なことにそのおかげで背中の痛みも少しやわらいだ」

 ――サム・スニードとの思い出は?
 「確かカラバサスカントリクラブでサムとプレーした。17番と18番だけ一緒にプレーしたが、17番では自分が池に入れてボギー。18番もボギーだったが、彼はどちらもパー。2ホールで2打差をつけられたよ」

 ――彼のように52歳でもプレーする自分の姿を想像できるか?
 「彼のように40代後半、50代前半でも安定したプレーをしていたい」

 ――自分を疑っていた人たちを見返すことの満足感はあったか?
 「(スランプから)抜け出して、自分で道を切り開くことに対する満足感はある。抜け出すのが大変な時はあるが、長年その方法を見つけてきた。ただ、今回は特にうれしかった。2カ月前に手術をし、また復活し優勝することは簡単ではなかったが、自分の両手を信じているし今日もそこに変わりはなかった」

 ――サム・スニードの記録を意識したのはいつ頃からか?
 「50勝したあたりから意識し始めたが、背中のケガもあり数年間プレーできなかった。難しくなったと思ったが、背中の手術を繰り返し、再び高いレベルでプレーできるようになったことで再び現実的な目標となった」

 ◇サム・スニード(1912~2002年) 22歳でプロ転向。メジャーはマスターズ3勝、全米プロ3勝、全英オープン1勝。ただ全米オープンは2位が4回とグランドスラムに届かず「スラマー」と呼ばれた。正確なショットの持ち主で、飛ばないボールとクラブの時代に300ヤード飛ばしていたという説もある。無駄のない、流れるようなスイングに対する評価は高くジャック・ニクラウスは「パーフェクトスイング」と絶賛している。また、パットの時にカップに体を正対させて打つ「サイドサドルパッティング」を編み出し、79年に67歳2カ月21日の米ツアー最年長予選通過記録もつくった。

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