【深堀圭一郎の目】野芝にアジャストしたウッズの修正力

[ 2019年10月29日 08:43 ]

米男子ゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ最終日 ( 2019年10月28日    千葉県印西市 アコーディア習志野CC=7041ヤード、パー70 )

18番、バンカーからの第3打を放つウッズ(撮影・沢田 明徳)
Photo By スポニチ

 ウッズは手術明けの初戦だったが、勝ち方をよく分かっていた。初日は野芝のラフから打つショットに苦戦。距離感が合わないと嘆いていた。米ツアーの洋芝に比べ野芝は葉が厚く、その分スピンがかかりにくくなって想定よりも飛んでしまうケースが多かった。

 しかし、第2ラウンド以降は若干スタンスをオープンにしてクラブフェースを開き、距離を合わせて打っていた。この日の14番でも右ラフから3打目を3メートルに乗せバーディーを奪った。対照的に松山は同じ14番で1メートルのチャンスを決めきれなかった。あの場面が勝負の分かれ目だった。優勝争いをしているとつい力が入ってインパクが強めになるが、すぐにアジャストできるところが彼の凄さだ。

 以前はとにかく飛距離にこだわり、メーカーにも飛ぶボールやクラブを要求していた。スイングも強振するため頭が若干沈み込むようなところがあった。だが今は軸もブレず、頭の上下動もなくシンプルでバランスのいいスイングができている。今は円熟の境地と言えるのではないか。20年東京五輪の金メダルも決して夢ではない。(プロゴルファー)

続きを表示

2019年10月29日のニュース