“ノッてきた17歳”松田詩野 アジア選手最上位で東京五輪“内々定”

[ 2019年9月10日 05:30 ]

サーフィン ワールドゲームズ(WG)第3日 ( 2019年9月9日    宮崎・木崎浜海岸 )

日の丸を持ち笑顔の松田詩野(撮影・岡田 丈靖)
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 女子4回戦以降が行われ、日本代表「波乗りジャパン」でプロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)予選リーグ(QS)年間ランク59位の松田詩野(17)が、全体15位でアジア選手最上位に入り、20年東京五輪代表の最有力候補に躍り出た。同じく出場したQS16位の前田マヒナ(21)は21位、同14位の脇田紗良(16)は41位で競技を終えた。

 17歳のシンデレラが台風15号の影響でうねる荒波と調和した。今季シニア初挑戦の松田が、敗者復活戦を勝ち上がってアジア最上位となり、東京五輪代表の最有力候補に浮上。「最後まで自分のサーフィンで、高い点数で勝ち上がることができて自信になった」と胸を張った。
 1グループ3、4人編成で上位2人が次戦へ駒を進める勝ち上がり方式。松田は切れ味鋭い細かいターンを武器に3回戦まで1位通過。だが、4回戦でリードを奪いながらも最後の1分で格上のCT選手に逆転負けを喫し、敗者復活戦にまわった。それでも「僅差だったからチャンスはあると思った」という。
 アジア勢最上位となれば東京五輪の代表がグッと近づく中、松田は敗者復活6回戦で波の頂点で板を切り返す「オフザリップ」を連発。CT復帰へ今季好調なバルバドス選手を技術でねじ伏せた。一方の前田は敗退。東京五輪出場に大きく前進した。

 今大会直前には1歳上の都筑有夢路がCT選手も多数参加した国際大会で優勝。刺激を受けた松田に慢心はなく「同年代がトップスキルを持っている。来年まで成長していきたい」とまなじりを決した。

▼松田 詩野(まつだ しの)
 ☆生年月日 2002年(平14)8月13日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身の17歳。
 ☆サイズ 1メートル57、靴は23センチ。
 ☆趣味 映画観賞。
 ☆きっかけ 両親の影響で6歳から。地元のスクールに通い、いきなりロングボードに立ち「ハマった」。15歳でプロテストに合格。
 ☆実績 16年に全日本選手権、WSL主催のQS1000を初制覇。昨年は千葉一宮オープンQS1000で優勝、世界ジュニア選手権U―16の部で準優勝。
 ☆その他 17年に西野カナの「Girls」と松田のドキュメンタリー映像のコラボ作品が公開された。そのかれんな容姿も魅力で、大会会場にはサインや写真を求めるファンが押し寄せた。


 ▽サーフィン五輪への道 出場枠は男女ともに各20人で、1カ国あたり最大各2人。出場要件は優先度の高い順に、(1)CTで各国3番手以下を除く上位8人(2)来年のWGで、すでに(1)の要件を満たした選手を除く上位6人(3)今大会で大陸別最上位1人。松田は来年のWGで(2)の要件を別の日本勢が2人以上クリアしなければ五輪代表に決まる。

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