【ラグビーW杯注目選手】NZ B・バレット、史上初V3導く世界屈指の司令塔

[ 2019年9月10日 10:00 ]

ラグビーW杯 日本に襲来!世界の屈強Monster

世界屈指の司令塔バレットがニュージーランドをW杯史上初の3連覇へ導く(AP)
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 4年に1度のラグビー世界一決定戦、W杯はスター選手たちが最高のパフォーマンスを披露する場でもある。20日に開幕するW杯日本大会で必見の注目選手を、優勝候補5チームからそれぞれピックアップ。

 W杯史上初の3連覇を目指すB組のニュージーランド(NZ)の司令塔がSO/FBボーデン・バレット(28)だ。前回15年W杯はダン・カーター(現神戸製鋼)の控えながら、先発1試合を含む6試合に出場して2連覇に貢献。カーターの代表引退後はオールブラックスの「背番号10」を背負い、16、17年と世界最優秀選手に選ばれた。

 スペースを瞬時に見つける判断力、ピンポイントへ蹴る正確なキック力とゲームコントロールは世界屈指。特筆すべきは決定力で、WTB並みのスピードと軽快なステップで自らトライも決める。最近ではFBに入り、SOモウンガとダブル司令塔を形成する。唯一の欠点はゴールキックの精度に波があることで、W杯でも鍵を握りそう。今年1月に24歳の会計士と結婚したのが惜しまれるほどのイケメンでもある。

 8人きょうだいの次男で、長男ケーン氏(29)は元NZ代表主将(引退)。ロックの三男スコット(25)、FBの四男ジョーディー(22)とはオールブラックス史上初めて3兄弟同時代表入りし、3人ともW杯メンバーに選ばれた。妹ザラさんがダウン症であることを明かし、症状に対する社会の理解を深める活動にも取り組んでいる。3兄弟でのW杯制覇は3人の一番のファンであるザラさんへのプレゼントにもなる。

 ◆ボーデン・バレット 1991年5月27日生まれ、ニュージーランド北島のニュープリマス出身の28歳。10年に19歳で7人制同国代表選出。11年からスーパーラグビーのハリケーンズでプレーし、16年に得点王に輝き優勝に貢献。来季はブルーズへ移籍。代表デビューは12年6月のアイルランド戦で通算78試合623得点(33トライ)。1メートル87、92キロ。

 ≪B組展望 絶対王者NZか新スタイル南アか≫史上初のW杯3連覇を狙うニュージーランドと3度目の優勝を目指す南アフリカが初めて1次リーグで同じ組となった。昨年は1勝1敗で、7月の南半球4カ国対抗でも16―16で引き分けた両雄は初戦(21日)でいきなり直接対決。1次リーグ屈指の好カードは大会の行方も左右する。

 8月にオーストラリアに敗れ、約10年ぶりに世界ランク1位から陥落したニュージーランドだが、No・8リード主将ら優勝経験者がそろい、本命に変わりはない。今大会で勇退するハンセン監督はさまざまな選手をテストしており、SOのB・バレットをFBに置く新布陣が注目される。大型強力FWが伝統の南アは初の黒人主将、フランカーのコリシが6日の日本戦で復帰。ボールを速く動かすスタイルに転換中だが、日本戦ではキックとディフェンス主体の負けない戦い方を見せた。

 2強以外ではボールを持たせたら強いイタリアが、16年以来となる南ア撃破を狙う。敗者復活戦を勝ち上がって出場のカナダは8強入りした91年大会以来の2勝、ナミビアは6度目の出場でW杯初勝利を目指す。

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