【ラグビーW杯注目選手】イングランド M・イトジェ「柔よく剛を制す」異才FW

[ 2019年9月10日 10:00 ]

ラグビーW杯 日本に襲来!世界の屈強Monster

切れ味抜群のランが武器のイングランド代表のイトジェ(AP)
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 4年に1度のラグビー世界一決定戦、W杯はスター選手たちが最高のパフォーマンスを披露する場でもある。20日に開幕するW杯日本大会で必見の注目選手を、優勝候補5チームからそれぞれピックアップ。

 愛称は“スーパー・マロ”。03年以来のW杯制覇を目指すC組イングランドのロック/フランカー、マロ・イトジェ(24)は「重厚」「武骨」という同国FWのイメージを覆す。1メートル95、115キロのサイズで、動きは「軽快」「しなやか」。果敢で激しいタックルとアスリートを思わせる切れ味のランを併せ持つ。

 両親がナイジェリア出身。サッカー、ラグビー、バスケットボールと才能を発揮し、陸上砲丸投げではU―17英国代表に選ばれた。19歳からイングランド・プレミアシップに出場し、21歳でエディー・ジョーンズ監督に抜てきされると代表デビューで即マン・オブ・ザ・マッチを獲得。欧州6カ国対抗2連覇にも貢献した。政治学を学び、チームバスで移動中に詩を書いていた“ラグビー界のシェークスピア”でもある。

 ◆マロ・イトジェ 1994年10月28日生まれ、英ロンドン出身の24歳。サラセンズで4度のプレミアシップ制覇、3度の欧州王者に貢献。U―20イングランド代表で14年ジュニア世界選手権優勝。16年にデビューしたフル代表では通算32試合10得点。1メートル95、115キロ。

 ≪C組展望 「死の組」イングランド一歩リード≫イングランド、フランス、アルゼンチンが8強入りの2枠を争う「死の組」をリードするのは、エディー・ジョーンズ監督(前日本代表ヘッドコーチ)のイングランド。自国開催で1次リーグ敗退に終わった前回W杯後に就任し、ロックのイトジェら若手を抜てきして16、17年と欧州6カ国対抗を連覇。18年はやや低迷したものの、昨年11月にニュージーランドに1点差負けと肉薄。03年以来2度目の世界一へ、精神的支柱のCTBファレル主将や、プロップのマコ&No・8ビリーのブニポラ兄弟に注目だ。

 かつての“シャンパン・ラグビー”が薄れたフランスだが、過去3度の準優勝など前評判が低い時ほど爆発力がある。起爆剤となりそうなのが33歳のNo・8ピカモル。今大会での引退を決意するベテランを中心に結束が期待される。07年3位、前回4位のアルゼンチンは、主力がほぼ同じメンバーのジャガーズが今年のスーパーラグビーで準優勝と躍進。驚異的運動量のフランカー、マテラ主将を中心にW杯でも波乱を狙う。いずれも米国とトンガ相手に取りこぼさないことが重要だ。

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2019年9月10日のニュース