荒磯親方“令和初場所”を総括 4人の新星躍進で「新しい時代に」

[ 2019年5月28日 09:00 ]

熱戦を繰り広げる明生(左)と朝乃山
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 令和初の本場所は西前頭8枚目の朝乃山(25=高砂部屋)が12勝3敗で初優勝を飾った。横綱・白鵬(34=宮城野部屋)、新大関の貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)が休場する中、若手力士の台頭が目立った波乱の土俵を、本紙評論家の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が総括した。

 令和最初の本場所は「上位陣が締まらないとこういう感じになってしまう」という場所でした。私が現役だったときは、横綱、大関に安定感があったので、なかなかこういう展開はありませんでした。下位の力士が上位陣を破ることで、見ていて面白いという人もいるでしょうが、締まらなかったという意見もあるでしょう。

 最近は白鵬を筆頭に30代の力士が席巻してきましたが、夏場所はガラッと入れ替わり、新しい時代になってきたという印象です。優勝した朝乃山は、下半身の力が全て上半身に伝わっていました。14日目の豪栄道戦は、左おっつけから左上手を取ったところで、豪栄道の体を浮かせました。あれが本当の馬力です。上半身と下半身が一体となった力士は大勝ちもするし、優勝にもつながります。朝乃山の相撲はそれを証明していました。

 朝乃山以外の若手も元気な力士が目立ちました。10勝で敢闘賞を受賞した25歳の阿炎は幕内9場所目で覚醒してきたように映りました。同じく10勝を挙げて技能賞を受賞した竜電は28歳で若手とは言えませんが、若々しい相撲を取っていました。

 23歳の明生は三賞候補に挙がってもおかしくない相撲を取っていました。左四つで栃ノ心を持っていった相撲などは、右の浅いところを狙い、左はクロスして肩まで入れ込んでいました。手だけでは力が伝わらない部分がありますが、あそこまで肩が入ると下半身の力が伝わります。やれそうでやれないことで、技能相撲でした。巡業では栃ノ心らと稽古をしていたようですが、転がされて、泥がついた分だけ強くなります。ここからさらに、安定感、負けない相撲が出てくるでしょう。

 豪栄道、高安の両大関はともに9勝に終わりました。前半で優勝争いから脱落した高安は責任を感じるべきでしょう。大関の勝ち越しは2桁ですから、この結果をしっかり受け止め、巡業のない6月は一層、稽古に励んでもらいたいと思います。

 新大関の貴景勝が右膝のケガで途中休場となったのは残念でした。貴景勝の突き押し相撲は小手先で勝つような相撲ではありません。名古屋場所で休場しても、その次の場所で10勝を挙げれば大関に戻れます。焦らずにしっかりとケガを治すことが大事です。(元横綱・稀勢の里)

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