みまひな銀 無念逆転負け、日本人ペア52年ぶり頂点ならず

[ 2019年4月29日 05:30 ]

卓球 世界選手権個人戦最終日 ( 2019年4月28日    ハンガリー・ブダペスト )

世界卓球女子ダブルス決勝 中国ペアに敗れた伊藤(左)と早田(撮影・吉田 剛)
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 女子ダブルス決勝が行われ、伊藤美誠(18=スターツ)・早田ひな(18=日本生命)組が、中国の孫穎莎(18)・王曼イク(20)組に2―4で敗れた。1967年ストックホルム大会の森沢幸子・広田佐枝子組以来、日本人ペア52年(20大会)ぶりの優勝を逃し、1971年名古屋大会の平野美恵子、阪本礼子組以来48年ぶりの銀メダルだった。男子シングルスはリオデジャネイロ五輪王者の馬龍(30=中国)が3連覇した。

 歴史の扉は重かった。“みまひな”が、日本人ペア52年ぶりの栄冠を逃した。またも中国の壁。2ゲームを先取してから逆転負け。前回大会銅の2人が、うちひしがれた。

 「惜しい試合だったんですけど、最後は完璧に相手が上回っていて。点数をこちらが取れるチャンスがなくて。勝ちきれないというところはまだまだ」

 伊藤は素直に負けを認めた。相手の1人は、シングルス3回戦で敗れた強打の孫穎莎。シングルス銅の王曼イクと組む若手ペアに、互角の戦いを演じた。

 悔やまれるのは、並ばれて迎えた第5ゲームの9―9。早田のサーブポイントと思われたが、ネットと判定され無効となった。2人で審判にアピールしたが覆らない。10―12で落とし、6ゲーム目は寄り切られた。「審判がネットだと」。早田は冷静に振り返った。

 伊藤は今大会、3種目にエントリーした。予行演習の舞台だった3月のカタール・オープンでは精神的に消耗。猛練習を積んだ。3種目に出れば、1日最大で5試合する可能性がある。それを想定し、事前合宿では朝8時半から夜9時すぎまで、コートで過ごした。練習場で食事をし、時に立って食べた。「状況に慣れるしかない」と、常識破りのメニューを組んだ。18歳なりに調整法を考え、限界に挑んだ。

 早田も自信を持って臨んだ。「会場にいる他の選手を見て研究している。中国選手を見たり」。2年前はその余裕はなかったが、周囲を分析。精神面の成長を感じていた。

 世界一を目指した2000年生まれの2人の戦いは、幕を閉じた。17年は銅、19年は銀。次こそは――。

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