小出義雄氏葬儀 Qちゃん涙の弔辞「私の中で監督は永遠です」

[ 2019年4月29日 11:40 ]

小出義雄さんの告別式で弔事を読む高橋尚子さん(撮影・西海健太郎) 
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 24日に肺炎のため、80歳で死去した陸上女子長距離の名指導者、小出義雄さんの告別式が29日、千葉県佐倉市のさくら斎場で営まれ、00年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さん(46)らが参列した。

 弔辞に立った高橋さんは「監督。高橋です。Qです」と呼びかけると、涙に声を詰まらせながら「つい先日までそう言って呼びかけると、“おお、声で分かるよ”そう言って返してくださる声も、手を握り返して下さることも、もうないというのは信じられません」と続けた。

 高橋さんは小出さんにあてた“最後の手紙”を読み上げた。「監督からは“強くなったな”とか“毎日毎日全力で走り、1日たりとも力を抜いた日はなかったよ”と監督が認めてくださった言葉が結果よりうれしかったかもしれません」と現役時代を振り返り、「オリンピックの金メダルを取らせてくださって、世界記録を出させてくださって、ありがとうございました」と感謝の言葉。「ずっと気にしていた東京オリンピックも空の上でビールでも飲みながら見守っていてください。私の中で監督は永遠です」と述べると、最後は祭壇に向かって「今までありがとうございました」と大きな声で呼びかけて締めくくった。

 白と緑の花で飾られた祭壇は高橋さんら多くの教え子と高地合宿を行った米コロラド州ボルダーの雪山をイメージ。生前に「何かあったら使ってくれ」と語っていたお気に入りの笑顔の写真が飾られた。

 ◆小出 義雄(こいで・よしお)1939年(昭14)4月15日生まれ、千葉県佐倉市出身。山武農高(現大網高)を出て、一時は家業を継ぐなど働いた後、順大に進み、箱根駅伝に3度出場。卒業後は千葉県で指導者の道に進み、長生高、佐倉高、市船橋高で監督を務めた。86年には市船橋高で全国高校駅伝優勝。リクルート、積水化学女子陸上部の監督を歴任し、01年に佐倉アスリート倶楽部を設立。豊田自動織機、ユニバーサルエンターテインメントなどを指導した。

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