プロ27年目の手嶋多一、復活に向け闘志「去年よりはるかに状態はいい」

[ 2019年4月17日 14:34 ]

知人にシニアツアーデビュー戦優勝を祝福されて満面の笑みで応える手嶋多一(右)
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 男子ゴルフの今季国内開幕戦、東建ホームメイトカップ(賞金総額1億3000万円、優勝賞金2600万円)は18日から4日間、三重県桑名市の東建多度カントリークラブ・名古屋(7081ヤード、パー71)で行われる。プロ27年目の手嶋多一(50=ミズノ)はシニアデビュー戦となった日本シニアツアーの今季開幕戦、金秀シニア沖縄オープン2019(4月12、13日、沖縄・かねひで喜瀬CC、賞金総額2700万円、優勝賞金450万円)を制してレギュラーツアーの開幕戦に乗り込んできた。

 「いつものオフは自宅の近くを散歩したりしてるんですけど、今年は近くの坂道でダッシュしたり。やっぱり足腰が…去年は3日目、4日目にすごい疲れるパターンが多くて、4日間ちゃんと保つ体をつくんなくちゃと思って」

 昨年の6月末に突然、立ち上がれないほどの腰痛に見舞われ、そこからほぼ2カ月間、満足にクラブを振ることもできないままツアー生活を送っていた。

 「割と調子が上がってきてこれから行けるかなという時でした。何かもう突然動けなくなって2カ月間、芥屋(RIZAP KBCオーガスタ)の前にギリギリ、ゴルフが出来るようになったんですけど、調子は戻らなかったですね。大雨の中、ゴルフして雷が鳴って中断して、びしょ濡れのまま、レストランで2時間くらいご飯を食べて、再開した時も濡れたままで。それで体が冷えてたんでしょうね。残りのゴルフしてパーティーに出たらもう立てなかった。エッ!って感じでした」

 この時の腰痛が尾を引き、昨季は賞金ランク88位と低迷。22年間守ってきた賞金シードも手放した。今季は2014年日本プロ優勝の資格でレギュラーツアーを戦う。ただ、このメジャー優勝で得た長期シードも今季限り。背水の陣で臨むシーズンとなる。

 「いまさら飛距離を伸ばそうと思っても難しいですけど、クラブも全部一新して今までよりもさらに(持ち球の)ドローを打つ。体もゴルフも前に戻そうと思ってます」

 本来はドローヒッター。その手嶋が近年はコース攻略にストレートボールを多用していた。今季は体に染みついた本来のドローボールで長年の経験に基づいたドローヒッターのコースマネジメントに徹するという。

 「行けそうというか、去年よりはるかに状態はいいです。ゴルフも体も。それだけでも気分がいいですよね。シニアでもいいゴルフができたのでこの勢いで開幕も行きたいなと思ってます」

 待ちに待ったレギュラーツアーの開幕戦を優勝候補の1人だった石川遼(27=CASIO)が腰痛のため欠場。その分、上位進出のチャンスも膨らむが「いやいや、チャンスではないですよ。ボクはもう本当に4日間、今週はやりたいです。それで徐々に調子を上げてしっかりシードをキープできるようにゴルフをしたいです」柔和な笑顔の奥に静かな闘志を。手嶋の復活を懸けたシーズンが始まる。 

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2019年4月17日のニュース