東京五輪 ソフトボール上野で開幕へ 38歳誕生日

[ 2019年4月17日 05:30 ]

開幕戦で先発の可能性が高い上野上野(撮影・椎名 航)
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 20年東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日、五輪の詳細な競技日程(実施未定のボクシング除く)を発表した。史上最多となる33競技339種目の先陣を切るのが開会式2日前の7月22日午前9時にプレーボールとなるソフトボールの日本戦(相手未定)。日本代表の宇津木麗華監督(55)は試合当日に38歳の誕生日を迎える上野由岐子投手の先発を示唆した。

 「上野の413球」で日本が悲願の初優勝を決めた08年北京五輪から12年。3大会ぶりに復活するソフトボールの「上野の1球」で東京五輪が開幕する可能性が出てきた。福島で行われる開幕戦は開催国の日本が出場する予定。都内で開かれた日程発表会見に出席した宇津木監督は、上野の開幕投手の可能性を問われ「その日が上野の誕生日。プレゼントはあげられないけど、先発させることはできると言ってある」と起用を示唆した。日本が後攻なら、上野の投じる初球が競技開始の合図となる。

 上野は12年の世界選手権で、30歳の誕生日に敗者復活戦と決勝を一人で投げ抜いて世界一に導いた。世界の注目が集まる五輪最初の競技で、重圧の懸かる開幕投手は「日本の顔」にふさわしい。ソフトボールは24年パリ五輪の追加種目候補から外れており、競技をアピールする役割も担うことになる。宇津木監督は「今回は一番最初なので世界にアピールできる。自分たちの最高のプレーをしたい」と訴えた。

 東日本大震災後、ソフトボール界は被災地を積極的に訪れて指導や交流を行い、復興を後押ししてきた。昨年には五輪会場で日米対抗戦も開催。宇津木監督は温かい声援に逆に勇気づけられたと明かし、「地元の一員として五輪に参加する気持ちでやってきた」と言い切る。「日本代表チームの先頭に立って、東日本大震災の被災地で、いいスタートができるようにしたい。勇気を与えるプレーをしたいし、ソフトボールをアピールして、しっかり勝てるようにしたい」と決意表明した。

 ▽東京五輪出場国・地域 日本は開催枠で出場。今年11月のプレミア12では米大陸最上位と、日本を除くアジア&オセアニア最上位の最大2チームが出場権を獲得する。残る3枠のうち2チームは、欧州&アフリカ予選(今年9月)と米大陸予選(来年3月)の勝者。最後の椅子を懸け、米大陸予選2位と3位、欧州&アフリカ予選の2位、アジア選手権の上位2チーム、オセアニア予選1位の6チームが最終予選(台湾、時期未定)で争う。既に出場権を得たチームはいずれの予選にも出場しない。

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