【岡崎真の目】羽生、4回転成否で一気に差が縮まる可能性

[ 2019年3月22日 11:00 ]

フィギュアスケート 世界選手権第2日 ( 2019年3月22日    さいたま市・さいたまスーパーアリーナ )

会見で並ぶ(右から)3位の羽生結弦、1位のネーサン・チェン、2位のジェイソン・ブラウン(撮影・小海途 良幹)
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 羽生の冒頭の4回転サルコーは助走までは順調に見えた。しかし、最後の大事な踏み込みの部分でエッジの滑りが伸びていかず、少し引っかかったような感じになってしまった。2回転になってしまったために得点はまさかの0点。ただその後は見事で、動揺は一切見せずに難度の高いジャンプを難なくこなしたのはさすがだった。

 4回転サルコーが成功していればGOE(出来栄え評価)の加点も含めて10点以上はあったはずで、ちょうどその分だけチェンに差をつけられる格好になった。ジャンプが1つなくなってもこれだけの点数を出せるのは引き算をする前の基準値が高いことの証明にほかならないが、本人としてはやはり悔しいだろう。

 12・53点差は普通に考えれば厳しい。チェンは今季これまでずっと安定した滑りを見せているし、フリーでは羽生に負けても大丈夫という楽な気持ちで滑れるはずだ。だが、男子はハイリスク・ハイリターンの戦いなので、4回転1つの成功とミスで一気に差が縮まる可能性は十分にある。まだまだ何が起こるか分からないので、フリーでは逆転を信じてまずはノーミスの演技を目指してほしい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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