坂本 SP自己新2位、四大陸選手権失速の雪辱 猛練習で成果

[ 2019年3月21日 05:30 ]

フィギュアスケート 世界選手権第1日 ( 2019年3月20日    さいたまスーパーアリーナ )

世界フィギュア 女子SPガッツポーズで演技を終えた坂本(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 女子ショートプログラム(SP)は、全日本選手権女王の坂本花織(18=シスメックス)が自己ベストの76・86点で2位発進した。紀平梨花(16=関大KFSC)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)のミスが響いて70・90点で7位。平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(16=ロシア)が82・08点で首位に立った。また、21日に行われる男子SPの滑走順の抽選が行われ、羽生結弦(24=ANA)は最終組の1番手になった。

 悔しさの分だけ大きくなった。坂本が国際連盟公認大会での自己ベストを3・5点も更新する76・86点。最初の3回転連続ジャンプのフリップ―トーループを鮮やかに決めた。持ち味のジャンプで、ことごとく高い出来栄え点を引き出した。

 「四大陸が凄く悔しくて。凄く練習をしたので、その成果を発揮できるようにと思っていた」

 2月の四大陸選手権(米国)はSPで2位発進しながら、フリーでミスし4位に終わった。帰国後の2日間、練習意欲が全く湧かないほど落ち込んだ。

 復活できたのは、「先生(中野園子コーチ)の魔法の言葉」を聞いたから。励ました本人は「何を言ったか覚えていませんが」と首をひねるものの、「いいかげんにしろよ、という感じでしたから」という記憶から、厳しい言葉が交じったことが容易に想像できた。以後、人が変わったように猛練習を積んだ。

 「五輪前以上に練習をしました」。6位だった昨年の平昌五輪は、氷上での早朝練習が1時間。初出場の今大会に向けては2時間半に増やした。「プラスしてトレーニングもした」。振付師のブノワ・リショー氏に1日8時間の指導を受けた。自信が芽生えた。

 ガッツポーズでSPを締めくくると、中野コーチから「頑張ってきて良かったね」と褒められた。練習はウソをつかなかった。ザギトワとは5・22点差あるが前だけを見る。

 「こっちに入ってから自分に集中ができている。このままフリー(22日)にいきたい」

 2月21日に神戸野田高校を卒業した。その2日後にピアスの穴を開けた。大人の階段とともに世界一の階段を上っていく。

続きを表示

この記事のフォト

2019年3月21日のニュース