白鵬、得意の遠藤料理 宿命の3・11誕生日 震災以降5戦全勝

[ 2019年3月12日 05:30 ]

大相撲春場所2日目   ○白鵬―遠藤● ( 2019年3月11日    エディオンアリーナ大阪 )

遠藤(右)を押し出した白鵬(撮影・亀井 直樹) 
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 横綱・白鵬が34回目の誕生日を白星で飾った。8年前に東日本大震災が起きて以来、特別な日となった「3・11」。誕生日に本場所で相撲を取るのは4年ぶりだが、これで5戦全勝となった。大関獲りに挑む関脇・貴景勝も錦木を押し出し連勝。横綱・鶴竜は魁聖を寄り切り初日を出した。

 特別な日に、負けるわけにはいかなかった。8勝1敗と相性のいい遠藤戦。白鵬は相手の出足をいなしながら左に動いて頭を押さえつけ、最後は体を入れ替え土俵の外へ押し出した。

 「一瞬待ったかなと思いましたが、その後は落ち着いて取れた感じですね」。東日本大震災が起きた11年から3月11日の誕生日は大きな意味を持つ一日となった。「今でも復旧していない人がたくさんいる。被災地の方々に一生懸命やったところを見せられ、勇気を与えることができたのかなと思います」。忘れられない思い出がある。震災の年に被災地の岩手県山田町を訪れ、地鎮と邪気を払う神事の土俵入りを行った。「帰った後に(関係者から)電話で“あの後余震が一回もない。おかげでよく眠れました”と言われました。それを聞いて鳥肌が立ちました。大相撲には見えない力があると確信しました」

 この日34歳になったが、目標の20年東京五輪までの現役続行も現実味が増してきた。「そのためにはこの一年が大事になる。ケガさえなければ結果はついてくる」。場所前には、メキシコ五輪レスリング銀メダリストの亡き父ジジド・ムンフバトさんが、64年東京五輪の記念ネクタイを締めて撮った写真をフェイスブックで偶然見つけた。東京五輪との不思議な縁を感じずにはいられなかった。「心と気持ちは定年を迎えている」と笑う一方「血管年齢は25歳」と若さをアピールする。「とにかくケガから遠ざかるいい一年にしたい。今場所の残りも頑張りたい」。平成最後の賜杯は、1年後につながる確かな一歩となる。

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