貴景勝、逆転V残った!11勝目で大関昇進目安に到達

[ 2019年1月27日 05:30 ]

大相撲初場所14日目   ○貴景勝―隠岐の海● ( 2019年1月26日    両国国技館 )

隠岐の海(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・久冨木 修)
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 新関脇・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)が平幕・隠岐の海を電車道で押し出して3敗を死守した。逆転優勝の可能性を残す白星で、大関昇進にも大きく前進した。関脇・玉鷲が平幕・碧山を下し1差で単独トップをキープ。貴景勝は千秋楽で大関・豪栄道と対戦する。

 これが歴史に名を残す男の強さだ。貴景勝は立ち合いでぶちかまして隠岐の海の上体を起こすと、左のはず押しで一気に俵まで運んだ。踏ん張る相手に圧力を強めて完勝。「集中していこうと思った。気持ちが全てなので」。極限まで集中力を研ぎ澄まし、優勝争いの中でも落ち着いていた。力を出し切った22歳はベテランに何もさせなかった。

 阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)も「完璧な相撲。落ち着いてる」と絶賛する相撲で11勝目。これで大関昇進の目安となる“三役で直近3場所33勝”に到達した。大関獲りに慎重な姿勢を示してきた同審判部長だが、「千秋楽の正午に審判部の皆さんに集まってもらい、話し合いを持ちます」と昇進について協議することを明言。そこで昇進の条件が決まる。白星を積み重ね、ついに道を切り開いた。

 新関脇で大関に昇進すれば、1936年夏場所の元横綱・双葉山以来約83年ぶりとなる。場所前、貴景勝は史上最多69連勝の記録を持つ“昭和の大横綱”の偉業について「双葉山関以来のことですから。何十年も誰もできていないんですよ。僕ができるほど、そんなに甘くない」と謙遜。だが、13日目には過去3戦全敗の白鵬を撃破。幕内で2番目に小さい1メートル75の体で、想像もできなかった世界に踏み込む権利を得た。

 千秋楽は本来、番付最上位である東大関・高安の取組が結びの一番に組まれる。だが、大関昇進を懸けた豪栄道との決戦が、平成最後の聖地の土俵を締めることになった。同審判部長は「いろんな意見が出ると思います。まずは聞いてみるということ。(大関昇進は)明日の結果によるかもしれません」と結果を見て判断する可能性も示唆。大一番を前に「なかなかできることじゃない。伸び伸び力を出し切るだけ」と気負いはない。

 玉鷲が敗れて結びで豪栄道を撃破すれば、決定戦で逆転優勝の可能性も出てくる。関脇以下の連覇となれば史上初だ。豪栄道とは通算3勝5敗で先場所は勝利している。平常心を貫く若武者は精神状態を問われ「振り返るのは場所後。前しか見ていない」ときっぱり。一大決戦へ「根性なしにならないようにしたい」と気合を入れ直した。

 ▽大関昇進の条件 「三役で3場所合計33勝以上」が目安とされる。明文化された基準ではなく、この目安を満たさなくても昇進したこともある。照ノ富士は年6場所制が定着した58年以降では初めて三役2場所で、稀勢の里、豪栄道は3場所合計32勝で昇進している。

 ▽双葉山の大関昇進VTR 年2場所制(1場所11日制)だった1936年(昭11)1月場所で準優勝(9勝2敗)して関脇に昇進。新関脇で迎えた同年5月場所は11戦無敗で初優勝を飾り大関に昇進した。さらに、翌場所も全勝優勝を果たし大関2場所で横綱昇進を決めている。今も残る史上最多69連勝は関脇昇進を決めた36年1月場所の7日目からスタートした。

 ◆双葉山 定次(ふたばやま・さだじ)本名・穐好定次(あきよし・さだじ)1912年(明45)2月9日生まれ、大分県宇佐市出身。立浪部屋から27年3月場所に初土俵(年2場所制)。36年1月場所で関脇昇進を決め、同年5月場所で初優勝。新関脇1場所で大関に昇進して3連覇すると、37年5月場所で横綱昇進を決めて第35代横綱になる。初優勝から5連覇。幕内優勝12回。史上最多69連勝の大記録を持つ。引退後は双葉山相撲道場を立ち上げ、日本相撲協会理事長も務める。68年12月に56歳で死去。1メートル80、135キロ。得意は右四つ、上手投げ、うっちゃり。

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2019年1月27日のニュース