【村上武資氏の目】大坂なおみ Ka・プリスコバ戦のカギを握る攻めと我慢の判断

[ 2019年1月24日 09:00 ]

テニス 全豪オープン第10日 ( 2019年1月23日    オーストラリア・メルボルンパーク )

セリーナを撃破し準決勝で大坂と対戦するKa・プリスコバ(AP)
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 準々決勝の大坂は反省点の多い試合内容だった。バックでダウンザライン(サイドラインに沿う軌道のショット)を狙ってネットにかけるなど、全体的に強引な攻めによるミスが目立った。過去の対戦で負け越している相手なので、意識しすぎて攻め急いだ部分があったかもしれない。

 スビトリナにも第2サーブのリターンミスやダブルフォールトがあり、この日は相手のミスに助けられた感じだ。大坂のショットも徐々に良くなったが、第2セットに入るとスビトリナが全然動けなくなっていた。元々ショットがいい大坂は、しっかり自分のプレーができれば相手を押し込んでいける。昨年の全米オープンでは攻める場面と我慢する場面の判断も良かっただけに、強引な攻めは次の試合の修正点だ。

 準決勝で対戦するKa・プリスコバはパワーヒッターでサーブもいい。ショット一つ一つの威力では大坂が上だと思うが、チャンスが多く来るとは思えないし、すぐに流れをつかめるような展開にもならないだろう。攻めと我慢の判断が重要で、サービスゲームを落とさないように第1サーブの確率を高めることも鍵となる。クロスラリーがベースになると予想され、コースを変えて相手を動かす時にどんなボールを打つのかの見極めも大切となる。

 相手の弱点を突くタイプではない大坂は、自分のテニスに徹する方がいい。サービスゲームをキープしながら、相手サーブにはしっかり食らいついて返していき、タイブレークで勝つぐらいのメンタルで臨んでほしい。(WOWOW解説、ロンドン五輪代表監督)

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2019年1月24日のニュース