“重戦車”景勝キャノン、1敗堅首初V射程 貴超え幕内100勝

[ 2018年11月21日 05:30 ]

大相撲九州場所10日目 ( 2018年11月20日    福岡国際センター )

押し出しで北勝富士(左)を下す貴景勝(撮影・岩崎 哲也)
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 小結・貴景勝が“重戦車”のような圧力で平幕の北勝富士を沈めた。立ち遅れた相手を頭から当たって突き放し、攻撃を緩めず一気に押し出した。単独首位の1敗を守るとともに、幕内12場所目で通算100勝に到達した。1差で追う大関・高安、平幕の大栄翔、碧山、阿武咲も2敗をキープした。

 貴景勝の勢いは増すばかりだ。立ち遅れた北勝富士の胸元目掛けて突進し、防戦一方となった相手を逃さず追いかけた。休まず突いて勝負あり。まわしを取らせない連日の完勝に「あまり考えずにいけた」と納得の表情を見せた。

 戦車のような破壊力の要因は体重だ。相撲を始めた小学3年の頃は30キロ。毎年20キロずつ増え、小6で90キロ弱になった。風呂上がりに父・一哉さんが体重をチェック。0・1グラム増でOKだが、減ればカミナリが落ちた。熱血漢の父を恐れ、体重計に乗らずにトイレに向かい、寝間着に1キロのダンベルを隠して量ったこともあるが当然、バレて怒られた。

 マクドナルドのLサイズのポテト4個と、メガマック4個を完食する「かわいがり」を父から受けた思い出もある。「体重を増やさないといけないから」と、牛乳は1日2リットルが日課だった。普段は栄養にこだわった食事だったため、中2で初めてカップ麺を食べた時は「発泡スチロールの味で吐きそうになった」という。身長は1メートル75で止まったが、徹底した父の指導で“動ける170キロ”になった。

 春にケガをしてから炭酸飲料を断ち、スイーツも我慢。「めっちゃショートケーキ食べたい」が本音でも、誘惑に負けることなく「せっかく稽古したから無駄にしたくない」と栄養に気遣った食生活で、心身ともに充実している。

 これで幕内通算100勝目。在位12場所目での到達は、前師匠の元貴乃花親方の現役時代と同じペースだ。前師匠は新入幕から11場所目(幕内9場所目)で初優勝を飾り、貴景勝は新入幕から12場所目でチャンスを迎えた。「終わったから準備して、明日に備えたい」と次なる戦いへと切り替えた。

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