白鵬、迷いの初黒星…珍しく弱気「体が合っていない気する」

[ 2018年1月17日 05:30 ]

大相撲初場所3日目 ( 2018年1月16日    東京・両国国技館 )

北勝富士(右)に押し出される白鵬
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 2横綱が敗れる波乱があった。横綱・白鵬は平幕・北勝富士に押し出されて初黒星。昨年春場所で勢に敗れて以来、5場所ぶりに金星を配給した。北勝富士は1999年夏場所の土佐ノ海以来、昭和以降2人目の4場所連続の金星を獲得した。稀勢の里は平幕・逸ノ城に寄り切られ、早くも2敗目。大関経験のある平幕・照ノ富士は糖尿病で休場した。

 悩みの種が芽吹いてしまったのか。白鵬が不可解な敗北を喫した。北勝富士との立ち合い。最初は呼吸が合わず、2度目で成立。真っすぐ当たって右を差しにいったが突き放されて、引いてしまった。北勝富士の出足は、待ってましたとばかりに加速。いつもの粘りもなく、あっさりと土俵を割った。

 「言葉が出ない。完敗。北勝富士がいい相撲を取った」。表情に悔しさは不思議とない。その代わりに、戸惑いの表情があった。

 今場所は、これまで繰り返してきた荒々しい立ち合いを自粛して臨んでいる。昨年12月20日の横綱審議委員会で、張り手とかち上げが批判を浴びた。それでも年明け5日の横審稽古総見で張り手を連発。これを見た元横綱の北の富士氏が「不届き者だね」と顔をしかめた。

 批判が高まる中で改善を決意。「癖を直したい」と、正攻法の立ち合いに着手したのは初日を1週間後に控えた8日。しかし、いくら白鵬でも準備期間が短すぎたかもしれない。北勝富士に敗れ、重い足取りで引き揚げる途中で、立ち合いの改善状況について問われると「本場所でやらないと、自分のものにならない」と試行錯誤が続く悩める心境を漏らした。

 初日に痛めた古傷の右足親指についても「体が(足と)合っていない気がする」と珍しく弱気な発言。横綱昇進後、平幕との対戦が多くなる本場所3日目の敗戦は、不戦敗を除くと2013年初場所以来、5年ぶりの珍事だ。大本命に異変が起きている。

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2018年1月17日のニュース