高安また大物食い 来場所大関獲り見えた!“指標”へあと3勝

[ 2016年9月20日 05:30 ]

照ノ富士の顔を張る高安(左)

大相撲秋場所9日目

(9月19日 両国国技館)
 新関脇の高安がまたしても上位陣を破った。大関・照ノ富士にかいなを返されるなど不利な体勢となったが粘って立て直し、50秒を超える相撲の末に寄り切った。これで1横綱2大関撃破で7勝目。大関獲りの足固めとなる2桁勝利に前進した。豪栄道が9連勝で無敗を守り、1敗は横綱・日馬富士、平幕・遠藤の2人。2敗は大関・稀勢の里、高安ら5人となった。

 支度部屋からの帰り道で本音が出た。「疲れたっすね。勝てて良かった」。巨漢大関相手の50秒を超える相撲を制し、疲労の中にも充実感がにじんでいた。

 我慢の末に勝利をもぎ取った。突っ張り合いから相手十分の右四つとなり、巻き替えられて右腕が“バンザイ”となった。絶体絶命のピンチ。だが本人は「慌てる感じじゃなかった」。がっちりつかんだ左上手からの投げで崩して頭をつけると、最後は体を預けるように寄り切った。「遠回りしたが頑張りました。残して、辛抱して勝つことがプラスになる」。2敗を守り、優勝争いにも踏みとどまった。

 これまで、「平成生まれ初」の“勲章”は新十両、新入幕、新三役、金星で手にした。だが、優勝と大関昇進は年下の照ノ富士に先を越された。「自分も(26歳の)中堅どころで、若手ではなくなった。後輩も上がってきているので、負けないように成績を残したい」。年下ながら番付上位の照ノ富士は、なんとしても勝ちたい相手だった。

 小結で11勝を挙げた名古屋場所は3大関を撃破して横綱大関戦は4勝2敗(不戦勝を含む)。大関獲りの一歩を踏み出した。「横綱大関に勝たないと上に上がれない」。今場所は上位からより多くの勝ち星を挙げることを目標にし、3日目の琴奨菊、7日目の鶴竜に続く横綱大関撃破。日馬富士との対戦を残し、早くも横綱大関戦の勝ち越しを決めた。九州場所で大関獲りに臨むには2桁勝利が望まれるが、残り3勝と射程圏内に捉えた。

 長い相撲でも息が上がらなかったのは、夏巡業で十分な稽古を積めたから。「少しでも体力をつけようと取り組んだ。そういうのが結果につながっている」。残り6日。スタミナを残している高安が、優勝争いをさらに熱くしていく。

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2016年9月20日のニュース