遠藤 初対決のライバル逸を一蹴、白星発進にドヤ顔出た

[ 2015年1月12日 05:30 ]

遠藤は一気に逸ノ城を寄り切る。右で立川親方が手をあげる

大相撲初場所初日

(1月11日 東京・両国国技館)
 東前頭3枚目の遠藤(24=追手風部屋)と関脇2場所目の逸ノ城(21=湊部屋)と注目の初顔合わせは遠藤が寄り切った。持ち味の柔らかさに加え、力強さも増した相撲で初日白星スタート。15日間満員御礼が予想されるなど相撲人気が復活してきた中で、新たなライバルを圧倒した。大鵬を抜いて単独最多33度目の優勝と5連覇を狙う横綱・白鵬(29=宮城野部屋)は小結・栃煌山(27=春日野部屋)を突き落とし、白星スタートを切った。
【初日取組結果】

 平成の新ライバル物語の第一章は“和製ホープ”が主役をもぎ取って“モンゴルの怪物”を脇役に追いやった。1メートル83、146キロの遠藤は「僕の方が体が小さいんで中途半端に当たっても良くない」と低く鋭く踏み込み、1メートル92、202キロの逸ノ城めがけて突っ張る。さらに、もろ差しとなって寄り立てると土俵際で相手の左足が俵を割って勝負あり。気づかず両者はしばらく組んだままだったが、行司が逸ノ城の背中を叩き、あっけない幕切れを知らせた。

 土俵上で懸賞22本(手取り66万円)を手にした24歳は舌をぺろりと出してドヤ顔。「場所の最初でもあり、新年最初でもある。いい白星を飾れて良かった」。来場者の投票で決まる懸賞「森永賞」は横綱の取組となることが恒例だが、この日はちょんまげ同士による初対戦が選出された。大声援を受けたホープは「力になりました」とファンに感謝の意を示した。

 自身より身長が9センチ高く、体重は56キロ重い怪物を退治できた理由について北の湖理事長(元横綱)は「当たりが良かった」と説明した。昨年は3度も三役を狙える地位まで上がったが、全て負け越し。体力負けする相撲が目立っていたため、先場所後からジムに積極的に通って体をつくり直した。

 体重は先場所より4キロ落ちたが、肩や首周りの筋肉が一回り大きくなった。昨年末には追手風部屋で4日間、逸ノ城とも稽古を行って22勝20敗と勝ち越し。上位で戦えるパワーを手にした。加えて入門時から通う埼玉県内にある「山本接骨院」の山本清次院長が「肩や股関節の可動域が他の力士とは比べものにならないほど広い」と絶賛する天性の柔軟さ。柔と剛を兼ね備えたニューボディーで三役を狙っている。

 真価が問われるのは、言うまでもなく残り14日間。今後に向け「頑張ります」という常とう句で意気込みを語った姿には確かな手応えが感じられた。

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