孔明 ガチガチ9位後退 何日も眠れず…初賞金王へ敵は重圧

[ 2014年12月7日 05:30 ]

16番、ティーショットを放つ小田孔明

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ第3日

(12月6日 東京都稲城市 東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70)
 4位から出た小田孔明(36=フリー)は2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの72と崩れ、通算2アンダーの9位に後退した。しかし、賞金王の可能性を残す藤田寛之(45=葛城GC)ら3人もこの日はスコアを伸ばしておらず、小田孔のキング戴冠への見通しは明るい。重苦しいプレッシャーをなぎ払い、7日に自身初の賞金王を決める。

 最後に試練が待っていた。18番パー3。小田孔の第1打はグリーン右手前バンカーのアゴに深々と突き刺さった。ボールの表面しか見えないほど深く埋まり、第2打は出すだけ。ダブルボギーを叩き「なんであんなところに止まるかな…。打った本人が悪いんですけどね」とため息をつくしかなかった。

 今季のバーディー率は4・15でツアー2位だが、この日奪ったバーディーは2つだけ。プレッシャーで体が動かなくなっていることは明白だ。そんな状況でも15番でリーダーボードを目にし、賞金王を争う藤田、近藤、岩田のスコアを確認。優勝しか逆転の可能性が残されていない3人が軒並みスコアを落としているのを見て「俺よりプレッシャーがあるんだな」と感じたという。

 自らも「ここ何日も熟睡できていない」と打ち明ける。食事は喉を通るが、夜中に何度も目が覚め「おしっこ行くんですよ」。この日も午前2時に目が覚め、たばこを吸って気を落ち着けようとした。さらに7時半に起きる予定が2時間も早い5時半に目覚めてしまったという。重圧に押しつぶされそうな状況を耳にした賞金王5度の経歴を誇る青木功は「寝ろよ」と軽く切り捨てたが、初めての体験に思い通りにいかないのが現状だ。

 それでも音は上げられない。規定には明記されていないものの、賞金王となれば海外メジャーのマスターズに招待される慣例がある。それも発奮する理由だ。「2日間連続でオーバーパーを打ったから、しっかり取り返して18番のグリーンに上がりたい。歴代の賞金王たちの中に入れて、その人たちの気持ちが分かればいいですね」。歓喜の瞬間を迎えるため、全力で残り18ホールを戦う。

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2014年12月7日のニュース