全柔連 新会長に宗岡経団連副会長 学生時代は東大柔道部主将

[ 2013年8月10日 06:00 ]

 全日本柔道連盟(全柔連)の新会長に宗岡正二・新日鉄住金代表取締役会長兼CEO(67)が就任する見通しであることが9日、明らかになった。12日の全柔連常務理事会で討議、14日の理事会で新理事として推薦され、早ければ21日にも開催される臨時評議員会で承認されれば、新理事会の互選により第4代会長が誕生する。

 全柔連は今年に入り、暴力的指導や助成金の不適格受給の問題など不祥事が相次ぎ発覚。組織改革を進めてきたがガバナンスの改善はみられず、内閣府は公益法人格の取り消しも視野に入れた勧告を実施。事実上、上村春樹会長(62)の辞任を求めていた。これを受け同会長は8月中の執行部(副会長2人、専務理事、事務局長)総退陣を表明。新執行部の人選は選定委員4人の手で進められていた。

 新会長就任の見通しとなった宗岡氏は現在、全日本実業柔道連盟の会長で、東大在学中には柔道部主将を務めた柔道をよく知る人物。新日本製鉄入社後、08年に社長に就任。12年10月には住友金属工業との合併にともない、世界第2位の生産量を誇る巨大企業のトップに立った、経済界の大物でもある。現在は経団連副会長も務めている。

 関係者は早くから「組織ににらみをきかせて改革を進めてくれる大物財界人」を求めており、有力柔道部を抱える大企業のトップはぴったり。常勤は難しいが、執行部の顔ぶれに意見するなど、すでに柔道界の立て直しに前向きな姿勢をみせているとされる。トップの交代から本格的な改革が始まるとされてきた柔道界が、ようやくその端緒に立つことになる。

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2013年8月10日のニュース