全柔連会長　宗岡氏就任確実も「私が決めることではない」

　相次ぐ不祥事で８月中に引責辞任する全日本柔道連盟（全柔連）の上村春樹会長（６２）の後任に、新日鉄住金の宗岡正二会長兼最高経営責任者（６７）の就任が確実となったことが１０日、複数の関係者の話で分かった。組織体質が問題視される全柔連は初めて外部からトップを招き、再建に取り組む。

　宗岡氏は、全柔連側からの理事推薦の打診を了承したことを同日明らかにした。会長就任について「それは向こうが決めること。私が決めることではない」と語った。関係者によると山下泰裕理事（５６）らから９日に打診された宗岡氏は、組織改革に意欲を示している。全柔連内部では、山下理事の副会長昇格が濃厚となっている。

　新執行部の専務理事も外部から登用する方向で最終調整に入っている。宗岡氏とともに１２日の常務理事会で新理事候補として報告され、１４日の臨時理事会で２１日以降の臨時評議員会への推薦を決める。理事就任が承認されれば、理事による互選で宗岡新会長、専務理事が誕生する。

　山口県下関市出身の宗岡氏は東大で柔道部に所属。２００８年に新日本製鉄（当時）の社長に就任し昨年会長となった。１１年からは全柔連傘下の全日本実業柔道連盟会長を務める。新日鉄住金には、ロンドン五輪男子９０キロ級銅メダルの西山将士選手らが所属する。

　ことし１月末に女子日本代表での暴力指導問題が発覚した全柔連は、その後も助成金不正受給など不祥事が続発。内閣府から８月末までに抜本的な組織改革などを求められ、上村会長や副会長、専務理事ら執行部が退陣すると表明した。