明子逆襲 SP5位からフリートップで2位に

[ 2012年10月28日 06:00 ]

女子フリーの演技を終え笑顔を見せる鈴木明子

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦 スケートカナダ最終日

(10月27日 カナダ・ウィンザー)
 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)5位だった鈴木明子(27=邦和スポーツランド)が120・04点をマーク。合計を175・16点とし、2位に入った。村上佳菜子(17=中京大中京高)は合計168・04点で3位、ケイトリン・オズモンド(16=カナダ)が176・45点で優勝した。26日の男子SPでは左膝の故障から復帰した織田信成(25=関大大学院)が82・14点で3位発進した。

 27歳の大ベテランが意地の逆襲を見せた。SPは5位と出遅れた鈴木が、フリーで好演技を披露。自己ベストの121・30点に肉薄する120・04点のハイスコアをマークした。09年中国杯、昨年のNHK杯に続くGPシリーズ3勝目は逃したが、確かな手応えを感じる4分間だった。

 ヒロインの復しゅうを描いた映画「キル・ビル」の曲で強い女を演じたSPとは対照的に、フリーはサーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の音楽。「自然の風や羽ばたく鳥。見ている人の想像力を高めたい」。情感をたっぷり込めて滑り、表現力が評価される5項目の演技点でも高得点をそろえた。

 昨季はGPファイナル2位、世界選手権で銅メダルと過去最高の成績を残した。それでも「歩みを止めない。今季も進化を続ける」と言う27歳のベテランの向上心は衰えない。フリーのプログラムは難しいが「新しい挑戦で表現の幅が広がればいい」と覚悟を決めた。

 2年後のソチ冬季五輪に向けては慎重だったが、開幕前に「もし頑張り続けられるのであれば挑戦してみたい」と前向きに話した。次戦のNHK杯に、4季連続のGPファイナル進出をかける。NHK杯の舞台は東北福祉大時代を過ごした宮城。「心が伝わる演技をしたい」。東日本大震災の被災地で魂のスケーティングを披露する。

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2012年10月28日のニュース