早大アメフト部員 集団のぞきで50人出場停止処分

[ 2012年9月21日 06:00 ]

 早稲田大学のアメリカンフットボール部の部員約50人が、今年8月の合宿中にホテルの女性浴場をのぞいたり、未成年者に飲酒を強要したりしたとして、大学側から1~3試合の出場停止処分を受けていたことが20日、分かった。同部は1934年設立の古豪。報告を受けた関東学生アメフト連盟は「行儀がよい部と思っていたのに、よりによって“のぞき”とは…」とあきれている。

 早稲田大によると、アメフト部は8月6日から15日間、新潟県妙高市で合宿を行った。その際部員約30人が、宿泊先のホテルにある女性用の浴場をのぞいた。

 大学担当者は「のぞきが行われたのは合宿期間中2~3回で、いずれも10人以上の集団だったと把握している」と説明。「関わった全員の処分に差がないところから状況はお察しください」とも語り、無理強いがあったわけではなく、全員が“ノリノリ”だった様子だ。

 さらに、合宿最終日には約20人の部員が、未成年だった下級生部員に飲酒を強要。酩酊(めいてい)した下級生部員の顔面を、口論の末殴る暴力事件も1件あった。

 担当者は「調査の結果、飲酒を強要した部員の多くは、のぞきにも関与しているようだ。甚だ申し訳ないとしか言いようがない」とあきれるばかり。大学側は、全部員約130人中、約50人に試合出場停止処分を下した。部全体についても8月25日から10日間の活動停止とした。

 所属する関東1部リーグの秋季リーグ戦で、早大は現在2試合を終え1勝1敗。関東学生アメフト連盟の担当者は「主力が30人くらいごっそりいなかった感じを受けた」と話す。

 大学創設者の大隈重信にちなみ「ビッグベアーズ」の愛称で知られる早大アメフト部は、2002年と10年に大学日本一を決める「甲子園ボウル」に出場。現在、日本代表クラスの選手はいないものの、昨秋のリーグ戦は5勝2敗でブロック3位だった。

 連盟担当者は、追加処分の考えはないとしながら「名門らしく、グラウンドでは、ほかの学校と比べても規律が保たれていたように見えたのに。のぞきは情けないし、まことに遺憾」と話した。

 ◇大学体育会のわいせつ不祥事

 ▼日体大レスリング部 09年9月に1年生部員が、横浜市青葉区の路上で帰宅途中の女性会社員を押し倒し乱暴した強姦(ごうかん)致傷の疑いで逮捕

 ▼東洋大陸上部 08年12月、2年生部員が東武東上線の電車内で女子高生の体を触った疑いで、強制わいせつの現行犯逮捕

 ▼同志社大ラグビー部 07年5月、2年生部員ら3人が乱暴目的で女性を無理やり連れ去ろうとし、わいせつ目的略取未遂容疑で逮捕

 ▼京大アメフト部 06年1月、4年生部員3人が女子大生2人を鍋パーティーに誘い、泥酔させて集団で乱暴した疑い。集団強姦容疑で逮捕

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2012年9月21日のニュース