フジカキ 年内でペア解消…藤井が国際試合引退

[ 2012年9月21日 06:00 ]

<ヨネックスオープン・女子ダブルス>第1セット、得点を奪われる藤井(左)と垣岩

バドミントンヨネックス・オープン・ジャパン第3日

(9月20日 国立代々木競技場)
 フジカキがペアを解消する。ロンドン五輪女子ダブルス銀メダルの藤井瑞希(24)垣岩令佳(23=ルネサス)組が、2回戦で今大会初戦を行い、1―2で敗れた。試合後に藤井は今後、国際大会には出場せず、現役を続行する垣岩とのペア解消を発表。年内の国内大会は出場するが、このまま引退する可能性も出てきた。

 敗れた試合直後の会見の第一声で、藤井が突然、切り出した。

 「五輪前から決めていたことだけど、私と垣岩は国際大会最後になりました。十分に練習はできなかったけど、私たちらしく笑顔で終われた」

 五輪銀メダリストの凱旋試合。多忙による調整不足やプレッシャーなど敗因が語られると予想されたが想定外の言葉に会見場は静まり返った。フジカキのこわばった笑顔が宙に浮いた。

 理由を説明する時に初めて声を詰まらせた藤井は「目標の五輪に行けてバドミントンに悔いはない」と話した。青森山田高卒業後にルネサス入りし、シングルスで五輪を目標にしたが「目指せない」と限界を感じた。そこから、藤井のダブルスでのロンドン五輪挑戦の4年間が始まった。

 高校女王を獲得した1年後輩をルネサスに誘った。「来てくれなかったらバドミントンをしていたか、分からない。もう一回頑張ろうと思わせてくれた」。五輪前、その垣岩に「五輪後は代表で動く気持ちがない」と伝えた。垣岩は現役続行を希望した。「互いの目標が違ってきたので解散するなら早い段階がいい」と、2人はこの大会を国際大会最後と決断した。

 フジカキは日本リーグ(10月13日~12月28日、各地)、全日本総合(12月3~9日、東京)には出場するが、銀メダルペアが見られるのは年内いっぱい。垣岩は「五輪で、バドミントンが楽しいと思うことができた。新しいパートナーと組み、リオデジャネイロ五輪が見えてきたらいい」と現役続行するが、藤井は「来年も国内で活動するかどうかは決まっていない」と話しており、引退の可能性もある。

 日本バドミントン界悲願の五輪のメダルを初めて獲得し、大きな歴史をつくったフジカキ。今後に向けたスタートとなるはずの大会は、衝撃のペア解消の試合となってしまった。

続きを表示

この記事のフォト

2012年9月21日のニュース