錦織“非常事態”乗り越え勝利も…ガックリ日本降格

[ 2012年9月17日 06:00 ]

シングルスでドゥディ・セラに競り勝った錦織

男子テニス国別対抗戦デ杯ワールドグループ入れ替え戦最終日 日本―イスラエル

(9月16日 東京・有明コロシアム)
 シングルス2試合が行われ、1―2と後がない日本は第1試合に錦織圭(22=日清食品)が出場。試合中に脱水症状による左ふくらはぎのけいれんを発症しながら、ドゥディ・セラに3―2で逆転勝ちした。しかし、続く最終戦で添田豪(28=空旅ドットコム)がアミル・ワイントラウブに1―3で敗れ、日本の降格が決定。来年はアジア・オセアニアゾーン1部からWG再昇格を目指すことになった。

 2―2で迎えた最終試合の第4セット、第9ゲーム。添田のリターンがコートを外れると、錦織はベンチでがっくりとうなだれた。意地を見せた第4試合から約4時間後。世界ランク16位の錦織を筆頭に3人が100位以内という日本が、トップランカーが98位というイスラエルに負けた。22歳のエースは、デ杯の恐ろしさを味わった。

 右肩の違和感で初日の試合を欠場。1―2で迎えた第4試合で、錦織はコートに立っていた。負ければその瞬間に終わり。必死の治療で戦いの場に戻ってきた22歳は、第1セットを6―3で奪った。だが、右肩をかばい「練習が不足して不安があった」というサーブが狂い始めた第2セット。さらに日本の暑さが、錦織を苦しめた。

 気温33度を超えたこの日。「太陽でひからびる感じだった」という第2セット開始早々から、左ふくらはぎがけいれんし始める。「初めてのこと」という非常事態で、第3セット途中には治療も受けた。「重圧も影響していたのかもしれない」と体調不良の原因を分析し「正直、勝ちが見えなかった」と振り返った。

 だが、第4セットの5―4から1度のブレークでセットカウントをタイにすると、最終セットは耐えに耐えて、7―5。初めてのマッチポイントを得意のフォアのリターンで一発で決め「自分の役割を果たせてよかった」と胸をなで下ろした。それでも、4時間31分という激闘を制した錦織の勝利は報われなかった。この屈辱を教訓に変えるには、1年でWGへの再昇格を決めるしかない。

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2012年9月17日のニュース