逆転V!藤田、今季3勝目で賞金ランクトップ

[ 2012年9月17日 06:00 ]

優勝した藤田はギャラリーの声援に応える

男子ゴルフツアー ANAオープン最終日

(9月16日 北海道北広島市 札幌ゴルフ倶楽部輪厚コース=7063ヤード、パー72)
 12アンダーの2位でスタートした藤田寛之(43=葛城GC)が6バーディー、2ボギーの68とスコアを伸ばし、前日まで首位だった金亨成(32=韓国)を逆転。通算16アンダーで今季3勝目、ツアー通算14勝目を挙げ、今季の賞金ランクでトップに立った。67の池田勇太(26=日清食品)は18番で痛恨のボギーを叩き、3週連続の2位。石川遼(20=パナソニック)は70で回り、13位だった。
【最終R成績】

 藤田の今季3勝目は予期せぬ形で訪れた。最終ホールを迎える段階で16アンダーで金亨成、池田と首位に並ぶ展開。しかし、1組前の池田がボギー。同組の金亨成もパーパットを外した。2パットで勝利が決まる状態だったが、ベテランの藤田も10メートルほどのパットに手が震えた。それでも、第3打を30センチに寄せると、キャディーに「これを入れれば優勝だよな」と確認し、気持ちを落ち着けた。慎重にパットを沈めると、大歓声を送るギャラリーに何度も頭を下げた。混戦を制した43歳は「正直、プレーオフに残れればと思ってプレーした。ラッキーで、転がり込んできた感じ」と淡々と話した。

 「思い出」の大会でもあった。10年前に尾崎将司と優勝を争いながら、終盤17番のパー5で第2打の林越えに失敗した。その悪夢が残る17番で今回も攻めの姿勢を貫いた。「最初は狙わないつもりだったが、ライも良かったから」と3Wで林越えにチャレンジ。バーディーとはいかなかったが、グリーン右下まで運び「10年前と比べて、自分も成長したかな」と照れくさそうに振り返った。

 43歳でツアー14勝、うち8勝を40歳を過ぎてから挙げている。同じ世代の丸山らがケガで苦しむなか、試合当日は朝30分、終わってから1時間のストレッチ・マッサージ。毎週月曜日のトレーニングを欠かさず、体のケアに励んでいる。

 賞金2200万円を加え、獲得賞金も9362万3722円でトップに立ったが「今は賞金王よりも、世界ランク50位以内になることが目標」と前向きに話す。現在は78位だが、日本オープン(10月11~14日、那覇GC)の初制覇を達成すれば、海外メジャー挑戦の青写真も描いている。「メジャーを獲ると公言してもいい選手になった」。静かな口調の中にも、確固たる自信が備わっていた。

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