曲がらない“縦振り”永井、5差逆転でツアー初V!

[ 2012年9月17日 06:00 ]

優勝カップのリボンが頭に乗り、見上げる永井

女子ゴルフツアー マンシングウェアレディース東海クラシック最終日

(9月16日 愛知県美浜町 新南愛知カントリークラブ美浜コース=6402ヤード、パー72)
 プロ11年目の30歳、永井奈都(新大阪ゴルフクラブ)がツアー初優勝を飾った。独特の縦振りスイングから、飛距離は出ないものの曲がらない正確なショットを見せ、7バーディー、1ボギーの66をマーク。通算12アンダーで、首位と5打差の7位から大逆転を果たした。有村智恵(24=日本ヒューレット・パッカード)は5位に入り、史上18人目の生涯獲得賞金5億円突破となった。
【最終R成績】

 ノーマークの30歳が大仕事をやってのけた。賞金ランク首位の全美貞に、スタート前に付けられていた5打差をあっさりひっくり返した永井は「首位はミジョンやし。まさか簡単に勝たせてもらえると思わなかった。初優勝まで長かったとは思ってません。自分でも優勝できるんやなって、そっちの方が大きいです」と京都弁を響かせた。

 変則スイングを武器に変えた。右肘が肩よりも高くなるアップライトなテークバックから、肘を伸ばして飛球線方向にクラブを投げ出すようにフォローを大きくとる、珍しい縦振りスイング。1Wは「出て230ヤード」。しかし、縦振りでサイドスピンが減る分、曲がりが小さくなる長所を生かした。14番は残り150ヤードを6Iで80センチにピタリ。15番パー5で第3打を3メートルにつけバーディーを奪い全美貞に並んだ。17番で再び3メートルのチャンスを決めて単独首位に。「リーダーボードを絶対見いひん」と無我夢中で通算12アンダーでフィニッシュすると、3組後ろの全美貞が伸ばせず、初優勝が転がり込んだ。

 プロ入り当初から技術でも飛距離でも壁を感じ「自分には(プロでやっていくのは)無理じゃないかな」と思っていた。毎年シード争いが精いっぱいで、この2年はシード権さえもなかった。30歳を迎え「20代の10年と30代の10年は違う。一年一年頑張らないと」と一念発起。オフに石川遼のトレーナーとして知られる仲田健氏のグアム合同トレに初めて参加した。プロ野球の阪神・桧山らと交流を深め「頑張りが足りない」と自覚したのが飛躍の一因になった。

 ツアー予選会は41位とパッとせず、今季出られる試合は残りわずかだった。背水の陣から巻き返し、来季終了まで大半の出場権をつかんだ。「残り試合が急に増えてビックリです」と初優勝の喜びをかみしめていた。

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