遼ホールインワン!8位も松山Vを祝福「脱帽です」

[ 2011年11月14日 06:00 ]

17番、ホールインワンを達成した石川遼はティーグラウンドのギャラリーと笑顔でハイタッチ

男子ゴルフツアー三井住友VISA太平洋マスターズ最終日

(11月13日 静岡・太平洋クラブ御殿場コース=7246ヤード、パー72)
 228ヤードの17番パー3。右からアゲンストの風が吹く中、石川は4Iを振り切った。ピン手前13ヤードに落ちたボールがフックラインに乗ってカップに近づき、最後はストンと中に落ちてコース全体に大歓声が響き渡った。

 「思ったより球が強く飛んだかな」。既にグリーン方向に歩きだしていたが、歓声でエースに気づくと帽子を取って万歳。ティーグラウンドに戻りギャラリーとハイタッチして、昨年のパナソニック・オープン以来2度目のホールインワンを大喜びした。

 この時点で首位と1打差に迫った。ところが、最終18番パー5で残り177ヤードの第2打を“池ポチャ”。はだしとなって起死回生を狙った第3打のウオーターショットもグリーンをオーバーし、結局パーに終わった。前年優勝者として十分に見せ場をつくったものの、終わって見れば4打差。8位での終戦で賞金ランク1位のベ・サンムンには差を広げられ、次戦プレジデンツカップ(オーストラリア)に出場している間に賞金王の可能性が消滅する危機に立たされた。

 それでも、スコアカード提出後は18番グリーン脇で、ジュニア時代にしのぎを削った間柄の松山の“凱旋”を待ち「おめでとう」と祝福。「勝負に負けたのは悔しいけど、こういう舞台を夢見てジュニアの時からやってきた仲。それを考えるとこれほどうれしいことはない」と笑顔で話した。松山が18番の第2打を同じ距離から同じ8Iで50センチにつけたことにも言及し「技術の差が出た。心に波が立たない選手。勝てるゴルフをしていた。脱帽です」と称えた。

 「英樹が勝った歴史に残る日に一緒に表彰式にいられて良かった。これから何年かかけて自分たちの世代で一つの時代を刻んでいきたい」。新たなライバル物語の始まりを、誰よりも望んでいたのは石川だった。

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2011年11月14日のニュース