日本のエースだ高橋大輔 転倒しても圧勝GP7勝目

[ 2011年11月14日 06:00 ]

男子で優勝した高橋のフリーの演技

フィギュアスケートGPシリーズ第4戦 NHK杯最終日

(11月13日 札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
 エースはやはりこの男だ。男子フリーで高橋大輔(25=関大大学院)が1位の169・32点をマークし、合計259・75点で2年連続4度目の優勝。合計点は今季世界最高得点で、日本勢最多のGP7勝目を挙げた。冒頭の4回転フリップでは転倒したものの、2位の小塚崇彦(22=トヨタ自動車)に24・73点差の圧勝。日本男子初の優勝を狙うGPファイナル(12月8日開幕、カナダ・ケベック)への進出も決定した。

 役者が違う。今季最高の合計259・75点で、昨季の世界選手権銀メダリスト・小塚に24・73点差の圧勝。日本のエースは誰か。GPシリーズ7勝目を挙げた高橋が、ファンにもジャッジにも明確な答えを示した。「パーフェクトではなかったけど、ステップアップしてるのが分かる優勝だった」と充実の笑みを浮かべた。

 演技冒頭、成功すれば世界初の4回転フリップに挑戦。転倒した上に回転不足だったが、大きな収穫を手にした。演技直前の6分間練習で初めてきれいに着氷。「1回決められたことでイメージは良くなる」。今回は新境地となるブルース調の曲を採用したが「まだつかめていない。爽やかすぎたかなあ」。苦笑いとは対照的に、表現力評価の5項目の演技点は圧巻。音楽の解釈など、3項目で驚異の9点台をマークした。

 08年10月に右膝前十字じん帯を断裂した際、手術で患部に埋め込んでいたボルトを今年5月に除去。リハビリで始動が遅れ、スケート靴も替えた。「ジャンプのタイミングを一からつくり直した」と長光コーチ。今季初戦のスケートカナダは4回転が不発だったが、今大会で大技に手応えをつかんだ。右膝故障前には、フリーで2度の4回転を決めたこともある。同コーチは「このままいけば昔より進化するんじゃないか」と期待を込めた。

 10年世界選手権を制した王者は昨季の同選手権で5位に沈んだ後、14年ソチ五輪を目指すことを表明。今大会で復権をアピールし、日本男子がまだ誰も優勝していないファイナルへの進出も決めた。「後半はスピードが落ちたし、まだまだ練習不足。このままではファイナルは勝てないと思う」。満足感とは無縁のエースが、頂点への道を突っ走る。

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2011年11月14日のニュース