NZ24年ぶり歓喜!オールブラックスが世界一

[ 2011年10月24日 06:00 ]

優勝杯を掲げ、喜びを爆発させるマコウ主将らニュージーランド・フィフティーン

ラグビーW杯ニュージーランド大会決勝 ニュージーランド8―7フランス

(10月23日)
 王国が、1987年の第1回大会以来、24年ぶり2度目の優勝を果たした。北島オークランドのイーデン・パークで決勝を行い、地元ニュージーランドがフランスを8―7で下した。前半15分に先制トライを挙げ、後半6分にPGで8―0とリード。その後はフランスに押され、同7分のトライ(ゴール)で1点差に詰め寄られたが、厳しい防御で守りきった。

 試合終了までの約5分間、華麗さで愛されるオールブラックスが、ラック、モールを繰り返して時間をつぶした。どうしても結果が欲しい。プライドを捨てた5分間に、王国が味わった24年間の屈辱が詰まっていた。

 試合前の予想は、ニュージーランドの圧倒的優位だった。1次リーグでの対戦は37―17の快勝。事実上の決勝と言われたオーストラリアとの準決勝で20―6と快勝し、優勝は目前と思われた。

 24年前の第1回W杯決勝と同じ会場で同じ相手と戦う決勝。しかし、あの日以後のオールブラックスのW杯は屈辱の歴史だった。決勝敗退1度、準決勝敗退3度。前回大会は準々決勝敗退の汚点を残した。前回を含めてフランスに2敗。屈辱の影にはフランスがいた。

 前半15分、右10メートルのラインアウトのサインプレーでウッドコクが先制トライ。だが、やはりフランスはフランスだった。堅い防御を崩せず、SHウェープは3度もプレースキックを外した。前半33分には3人目の代役SOクルーデンが右膝負傷で退場。その嫌な流れを救ったのが、4人目のSOドナルドだった。

 大会前に代表落ちしたドナルドは「自分を証明するいい機会だった」と振り返る。後半6分のPGで勝利を引き寄せた。「層の厚さ」という伝統が最後に王国を救った。4年前も指揮を執ったヘンリー監督は「これで、安らかに休むことができる」と本音を漏らした。

 マコウ主将は「4年前の経験があったから踏ん張れた」と話した。王国として当然の優勝を飾ってから24年。会場も相手も、掲げた「ウェブ・エリス・カップ」も同じだったが、金色の優勝杯の輝きには、24年間の苦闘を宿した深みがあった。

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